真夜中の怪談話  携帯電話 | 戦車兵のブログ

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元陸上自衛隊の戦車乗員である戦車兵のブログ
北海道在住でマニアックなメカとしての戦車じゃなく、戦車乗りとしての目線から自衛隊や戦史、戦車を見る!!。
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戦車兵のブログ 「真夜中の怪談話  携帯電話」


携帯電話を持たない私がこんな話しを書くのは怖い話だが、10年くらい前に聴いた話。


仮に大西洋君とでもしましょうか?

いい加減な名前だな?太平洋君でもいいけど、大西洋君ならいそうな名前でしょう。


大西君はヤンキーだった、しかも地元じゃけっこう有名。

実際、少年院から少年刑務所と物心ついた時から塀の中に出たり入ったりと、そんな感じだ。


彼もご多分に漏れず心霊スポットへ行くのが大好きで、その辺の怪奇現象の体験もとっても多い。


地元で知られている心霊スポットはほとんど制覇したという。

そんな大西君、仲間4人と一緒に心霊スポットへ向かう。


場所は戦時中強制労働をさせ死んだ朝鮮人労働者の慰霊碑があるという場所だ。


ここは本当にやばい、実際に朝鮮人労働者がかなり亡くなった工事現場から犬や猫よりも酷い扱いで埋められていたらしく、戦後近くの川が氾濫した時に地中から夥しい数の人骨が出て問題になったほどだ。


そんな場所へ仲間と行くが、大西君「おい、一人で橋まで行って廻って来るって言うのはどうだ?」と現場でルールを勝手に決める大西君。


仲間から「ここはやばいよ、ふざけるのはなしにしよう」と言うのも聴かず、順番を決めるじゃんけんをしだした。


仲間4人、大西君が最後で皆、一人づつ廻って来る前に稲川淳二ばりに大西君とっておきの怪談を披露する。


当然、皆びびりながらも「出て来たら面白いな」なんて強がり言って慰霊碑まで一人で廻って来る。

その間も大西君、残った仲間に怪談話しをして怖がらせるのは怠らない。

一番最初に行く者に「写るんです」レンズ付きフィルム、つまりカメラを持たせて、記念写真を慰霊碑前で撮影して来るのがルール。



大西君を除く全員が廻り、いよいよ大西君の出番、「いっちょ言って来るか!」そう言ってとぼとぼ歩き出した。


慰霊碑前に到着、カメラを探しフラッシュを焚き記念写真を撮影する。

一瞬フラッシュの光で眩しいと、思った瞬間、ポケットの携帯電話が鳴った。


絶妙なタイミング!「なんだ、フラッシュ焚いたの見ていたずらしたのか?」


腹を立てて「なんだ?」と電話に出る大西君、「○×▲」何だ韓国語か?いや訛りはあるが日本語だ、何だか騒がしい、何人も人がいるようだ。

「お前何しに来た!何しに来た!殺すぞ」ハッキリそう聞こえた。


「あいつら~~~」大西君は怒った、ダッシュで仲間の元へ戻った。

「誰だ!?いたずらしたのは?」キレ気味な大西君に「何の話?」と答えると、余計にキレた。


「とぼけてんじゃね~ぞ、今携帯鳴らしたろ!」

「携帯って・・・、こんな山ん真ん中、圏外だよ、確認してみろよ、何の話だよ」


「なに!?」

携帯を確認する大西君「圏外だな・・・、じゃぁさっきのは誰からだよ」

「だから圏外なんだってば、誰からじゃねぇよ」仲間3人は無実の罪でキレられむくれた。

「何あったの?あそこで」

「携帯が鳴って出たら「お前何しに来た、殺す」ってよ、てっきりお前等のいたずらだとおもってよ」


その会話中また大西君の携帯電話が鳴った。

皆驚いた顔を付き合わせる、大西君は電話に出た「もしもし、誰よお前」


「さっき俺たちの所に来たろ、今お前の後ろにいるよ」


そう言うと切れた。


大西君はダッシュして車へ乗った、仲間も慌てて追いかけて車に乗って帰った。


後日、記念写真には怪しい赤い光が映り込んでいたが、大西君の写真だけは本当の記念写真だったという。


大西君の後ろにはたくさんの人達が写っていた、もちろん仲間じゃない。


写真は直ぐにネガもろとも燃やしたという。


大西君「電話に出るのが怖くなったよ、またあいつら電話してくんじゃないかと思ってよ」

それでも懲りない大西君は心霊スポットを今も廻っているという。