前の投稿でも触れた「薬がない問題」何とかならないものか。候補薬A〜Cはいずれも新薬ではなく、他のがん種で使われている薬なので、どんな副作用が出るか、どうすればコントロールできるか、などのノウハウはある程度あるのでは…?
ネックはやはりガイドライン(CQ20)にあるように「少数例での報告」であること。統計的に有意な数が必要というのは、理屈の上では理解できるけれど、現実問題として希少疾患の場合、十分な量の例を集めること自体が困難なのではないだろうか。
例えば胸腺がんの場合、罹患率を仮に人口10万人あたり0.5人とすると、日本の人口1億2600万人で630人。このうち化学療法のセカンドライン以降で、体力や合併症の有無、過去の治療歴etc.の条件に合う人となると、人数はもっと少ない。無い袖は振れないとは、まさにこのことではないか。患者が何万人もいる疾患と同じアプローチでは明らかに無理がある。
ガイドラインに出ている「PR26%、SD65%」は、十分な量のサンプルがあれば保険適用になってもおかしくないくらいの数値だそうです(昨日受診した先生談)。でも母数がたった23。
※PR:部分奏功。標的病変の径の和が30%以上減少。SD:安定。がんの長径の変化率が-30%から+20%以内。「オンコロ」の解説より。
これでは数を問題にする限りいつまで待っても承認されない。薬に耐えられるだけの体力も気力もあって、検査の数値も申し分ないのに、可能性のある薬の名前もいくつか知っているのに、指を咥えて見ているしかない。この事態、どうすれば打開できるのか…?!誰か教えて下さい。