調査報告書(全71ページ)を読みました。
チームの報告を聞いた多くのファンの方々の声としては、
「なんで?!」というものが多いと思うけれど
そもそもの立ち位置が「再発防止特別チーム」なので、
性加害を「疑惑」ではなく「あったこと」として扱うのがスタートになっている。
つまり、告発者の証言の矛盾を正すチームであるわけはなく、
当然、あったかなかったかを判断するチームでもないということ。
「事実かどうかを見極める機関」ではなくて「再発防止委員会」だから
ファンの思いとは出発点が違うものになっているのは、仕方のないことだし
発足時に分かっていたことなので、それに対して意見はない。
なので、あの報告書は「再発防止特別チーム」という
「被害があったことを全肯定した上での事務所内に限定したガバナンス上の再発防止提言」として見るのが正当であり
そう見るのであれば、理解を得られる内容であるものと言える。
更に言うのであれば、留保事項に
「特別チームの調査は、法令上の権限に基づく直接強制又は間接強制の強制 力を伴うものではなく、関係者の任意の協力のもとで実施されたものであり、 仮に関係当局が法令上の権限に基づいて調査・検査を行った場合には特別チ ームの認定とは異なる事実関係が明らかになる可能性がある」
と、記されている。
つまり、法的に認められた証言を採用しているのではなく、あくまで任意の協力(つまりは告発)で実施されたものであり
法的な調査・検査で行えば異なる事件関係が明らかになる可能性があるということ。
ここを理解できている人がそう多くないのが、少し残念。
この後は、私が「個人的に」感じたことを羅列していくので
再発防止特別チームの『告発者側を全肯定することを前提とし、告発者の矛盾を正すものではない』を無視した内容になります。
どちらか一方の立場ではなく『公平』に見るのであれば、
報告書の中で芸能界の性加害問題としてジミー・サヴィルやハーヴェイ・ワインスタインを例示しているのが、まず気になった。
ジャニー氏は刑事事件として告発されたこともなく、かつ罪状がついていないので
ジミーやハーヴェイを例示するのであれば、
同時に冤罪であったマイケル・ジャクソンやジョニー・デップの例示も必要になると感じる。
『大々的にセンセーショナルに取り上げられていること=真実』ではないという例示として。
次に補償問題。
『あったと前提する』以上、なんらかの補償はあって然るべきとは思う。
しかし、『被害にあった証拠の提出は求めない』『時効であっても有効とする』という
法をとっぱらった前提に基づいて補償をさせるのであれば、
『過去の判例にもとずいての補償金額』というのは、あまりに杜撰な考え方と感じる。
事実、語るたびに証言内容が変わる方もいるので、刑事で証明できないものに関しては
一律同額…というような形で示す方が、健全な方法なのではないであろうか。
そして、ジュリー氏の引責辞任。
これに関しては、第三者委員会という名称でなく「再発防止特別チーム」と銘打った時点で
どういう結果になろうと、ジュリー氏ご自身が全ての責任をご自身1人で取る覚悟を決めておられるように感じている。
最終的にどう判断し動くのかはジュリー氏と事務所の考え次第になると思うが
個人的には続投して欲しいと思っている。
トップになってすぐに性加害疑惑の改善に動き出さなかったという指摘ゆえに辞任ということになるようだが、
私などのような一般の人間でも、ジャニー氏の性加害疑惑は、
どちらかというと週刊誌に面白おかしく書きたてられているものという認識であった。
刑事告発もされておらず、かつ捏造記事を当然のように流す週刊誌が報じるものを信じろ、
叔父を疑えと言われても無理があるのではないか。
報告書によりると、ジャニー氏・メリー氏とジュリー氏の関係性は仕事上でも疎遠であったとされているので
そこだけを見ても、ジュリー氏に罪を押し付ける結論には首をかしげざるを得ない。
「責任」に言及するのであれば、報告書のなかに記載のあった女性マネージャーの方が責任としては大きいのではないか。
報告書の内容を事実とするならば、「見て見ぬふりをした」を実証しているのが、この女性マネージャーであり
そのマネージャーが誰であるかは、容易に想像できてしまうが、それは憶測の域をでないためここで名前は伏せる。
しかし、刑事でないから…と、そこへの責任は問われず、あくまで現事務所の問題として(時間を飛び越え)
当時ジュニアに携わっていないジュリー氏に全ての罪を背負わせることには納得がいかない。
なにより、会社経営のトップに立ったものが個人的に犯罪を犯していた場合
その後任が引責辞任しなければならないという考えが当たり前に通ることには大いなる疑問を感じる。
ファンの立場でしかないので、実際のところはわからないが、
ジュリー氏体制になってからは、「普通」の会社になっているという印象が強い。
故に、血縁関係(同族経営)だと再発する、という極端な意見には賛同しかねる。
これが通ってしまうと、「犯罪者の子供は犯罪を犯す」という意見がまかり通ることになりかねず
犯罪者を親に持ってしまった子供の未来が永遠に閉ざされることにも繋がるのではないか。
以上が、ここまで今回の騒動の経緯を見てきて、かつ報告書を読んだ私の感想。
今は、再犯防止特別チームからの報告書を受けて事務所側がどう対応するのか
自担はどう動くのかを待つしかない身。
ただ、ただ、一心に思うのは、真摯に努力をし、日ごろの努力でチャンスを活かし
実績と信頼を得て自らの力で輝いている人々が、
真面目に誠実に努力している人々が馬鹿を見る世の中ではありませんように。
ただ、それだけです。