この二番館に通い始めたのは私が小学校5年生くらいの時、1971年か72年くらいからだと思いますが、当時「東宝チャンピオンまつり」や「東映まんがまつり」はいつも同級生数人といっしょに行っていたのですが、この二番館にはほとんどひとりで通っていた記憶しかありません。
だから余計に異空間という想いがあるのだと思います。
中学生になり、隣町のロードショー上映館に行く時には数人で行っていましたが、その頃になってもこの二番館にはひとりで通っていました。
たぶんここでやっている映画が、あまり子供向きではなかったからだと思うのですが、とにかく私はここでひとり、暗闇の中で違う世界に行く快感を覚えてしまったのです。
最初は映画の途中から入場することが多かった私ですが、その内上映時間を考えて、上映の始まる時間に合わせて行くようになりました。
映画の始まりはジリジリというベルの音。
それと同時にそれまで場内にかかっていた歌謡曲や演歌が唐突にピタッと止まり、場内アナウンスが流れたあと照明が消され、真っ暗に。
すると、スクリーンを覆っていたカーテンが完全に開く前にカシャカシャという映写機の稼動音が流れ始め、なんと流れいくカーテンの上に上映が始まるのです。それはいつもの事でした。
そんないい加減な映画館でしたが、私はそんなことよりもこれから始まる映画に胸をワクワクさせていました。
想いはすでにスクリーンの中にあったのです。