カロリンスカへの道(2) 
   

「ノルデナウの奇跡の水」の正体は・・・・

「ルルドの水に奇跡はあるのか」私はこのサイトで初めて白畑教授が2007年6月に「スウェーデンのノーベル学会で業績について講演して欲しい」と、正式に招待を受けたということを知りました。
著者は・・・・

青天の霹靂です。
もしも事実であれば、白畑博士はノーベル賞にノミネートされた事になります。
「水の研究でノーベル賞・・・?」、俄かに信じられない思いがしました。
と書いています。

私も2年前にそのようなことがあったのかと晴天の霹靂でした。

もしも事実であれば、白畑博士はノーベル賞にノミネートされた事になります。
「水の研究でノーベル賞・・・?」、俄かに信じられない思いがしました。
奇跡の水の謎を、苦難を克服し究明したのであれば理解できます。 
しかし、彼らの目的は商品である“電解還元整水器”の付加価値を高める為、官民一体(九州大学と日本トリム)になって宣伝活動を展開して来ただけなのです。
そんな不可解な活動を、ノーベル学会が評価したとすれば問題です。
(中略)
仮に、奇跡の水を研究して来た白畑博士を、ノーベル学会が其れなりに評価したとすれば、水博士に対する私の厳しい批判は、淡雪の如く消える運命を辿ります。
当然の如く、謝罪の上で複数のページを閉鎖するか、『現代医学の功罪』の配信を停止する覚悟でいます。
幸か不幸か、ノーベル賞の噂が流れた事で、私の考えが正しいのか間違っているのか、6月中に正否(還元水批判)の結論が出ます。
当然の如く、白畑博士の水研究も“真贋の裁き”が下されるのです。
怪情報と思いつつ、結果を楽しみに見守っているところです!
             
≪後日談≫ 平成19年6月現在(なんとか)還元水および白畑博士を賛美する情報は、何一つ入っていません。 結果的に、世間を欺く怪情報と思うしかありません。

これは、2年前に書かれたものですが、私は、この情報から、その後の動きがどうなったのか知りたくてインターネットで調べてみると九州大学大学院の細胞制御工学教室のホームページに行き着きました。
そこには

細胞制御工学教室トピックス

白畑教授がカロリンスカ研究所で還元水に関するセミナー開催

スウェーデン国ストックホルム市のカロリンスカ研究所(カロリンスカ医科大学)はノーベル医学・生理学賞を決定する機関として知られています。2009年6月4日カロリンスカ研究所において、スウェーデン生理学会後援による白畑教授のセミナーが開催されます。セミナーの開催要領は下記の通りです。
(以下略)

とありました。

「ルルドの水に奇跡はあるのか」の著者は・・・、
「≪後日談≫ 平成19年6月現在(なんとか)還元水および白畑博士を賛美する情報は、何一つ入っていません。 結果的に、世間を欺く怪情報と思うしかありません。」と書いています。どころか、2回目のセミナーが開催されるというニュースです。白畑教授の研究が世間を欺く怪情報であったならば2回目のセミナーなどありえません。
当然、白畑教授の研究が評価されているからこそ2度目のセミナーの開催となったのでしょう。そうでなければ、このようなことはありえないでしょう。

ところで、「ルルドの水に奇跡はあるのか」の著者は、サイトを次の文章でスタートさせています。

フランスの“ルルド”・ドイツの“ノルディナウ”・メキシコの“トラコテ”・インドの“ナダーナ”。 いずれも山間の村や町で、難病奇病を治す不思議な水が湧き出ると言われる地です。 しかし“奇跡の水”は、科学的にも医学的にも認められていません。
これらの水に病気やケガを治す効果があれば、医療や医薬は必要ない事になります。
そんな良識を無視し、奇跡の水を創ろうと躍起になる学者が、後を絶ちません!

そして、白畑實隆教授の研究について以下の通り断定しています。

ルルドの水の研究は、100年以上前から世界中の学者が、深く関わって来た興味をそそる課題です。
後発の日本人が、改めて研究を始めたとしても、新発見は望めるものではありません。
白畑博士は、ルルドの水に含有する活性水素に注目している様ですが、水道水より僅かに多い電解還元水の水素量が、健康に大きく貢献するとする曖昧な論理に、根本的な欠陥があります。

科学とは因果律を解明する学問です。奇跡の水と呼ばれる「水」の代表が「ルルドの水」です。その後、ドイツの「ノルデナウの水」やメキシコの「トラコテの水」。日本では「日田天領水」が知られていますが、霧島山系の水でも「奇跡の水」と同じような現象が現れる水があるそうです。
昔からの言い伝えによる神社の「御神水」といわれる水が日本各地に存在しています。今は変哲もない水かもしれませんが、その昔は「奇跡の水」と呼ばれている水が起こす現象と同じような現象を起こしていたのかもしれません。
つまり、かつての地球上には「ルルドの水」のような水が普遍的に存在していたのかもしれません。それが、地球上の環境の変化によって失われてしまったのかもしれません。

アラン・カレル博士
アラン・カレル博士

「ルルドの水に奇跡はあるのか」の著者は「“奇跡の水”は、科学的にも医学的にも認められていません」「これらの水に病気やケガを治す効果があれば、医療や医薬は必要ない事になります」と書いていますが、サイエンスの面でもアメリカで初めてノーベル医学賞を受賞したアラン・カレル博士が「奇跡を目の当たりに見た」と報告しています。 

平成10年6月13日(土)午後7時、テレビ朝日系の番組「真相解明!噂のファイル=「万病に効く!?奇跡の水」が放映されました。この番組は、ドイツの「ノルデナウの水」を取り上げたものですが、番組制作の取材裏話があります。
4月下旬に協和病院・河村院長のもとに東京のテレビ局から「協和病院を取材したい」という電話が入りました。取材の主旨はドイツで病気が治るという不思議な水が発見されたらしいが、その正体を解明したいので、長年水と取り組んできた協和病院の見解を聞きたい」というものだったそうです。
河村院長は、共同で水を研究している医学博士を紹介し、4月27日(月)博士の元へ取材陣が訪れました。

彼らの話は以下の通りです。

「5年ほど前(平成5年ころ)ドイツのノルデナウ(ケルンの東方、フランクフルトの北方百キロ)という人口340人の小さな村で不思議な水が発見されました。
現地のゲルゼンキルヘン衛生研究所が出した分析データですが、何か特徴が見られますか?」

データは弱アルカリ性、中程度の硬水・・・その他普通の水と特に変わっているというデータは示されておりませんでした。
データを見た医学博士は「はっきり申し上げて、この分析データは無意味に近い、と思います」といわれました。

取材「無意味に近い・・といわれるのですか」
博士「その通りです。非科学的なデータに過ぎない、と思います」
取材「実は、私たちはクラスターの大小、つまり水の分子集団の大小という議論に興味をもちまして、ノルデナウの水をその観点から分析しようと考えているのですが・・」
博士「クラスター理論ですね。クラスター理論ではノルデナウの水の正体は解明できないと思いますよ。(中略)要は水の機能にあるのであって、形態ではない、というのが私の考えです」
博士「 要は、「水」とは何か、という「原点」の問題だということになります。
言うまでもなく、水は「溶媒」と「溶質」から構成されています。
従って、水を考える際には「溶媒」と「溶質」に分けて考えることが必要です。
「溶媒」とは水そのもの、化学式でいうとH2Oのことを意味します。
「溶質」というには「溶媒」としてのH2Oの中に溶け込んでいる成分、すなわちカルシウム、マグネシウム・・などのミネラル成分のことを指します。
ところで、ゲルゼンキルヘン衛生研究所の分析表はすべて「溶質」(溶け込んでいる成分)に関する分析データばかりです。これでは、非科学的といほかありません」
取材「「溶媒」に関する分析も不可欠だということですね。そうしますと、健康に良い水の指標としてKIという指数がありますね。カルシウムとナトリウムの含有量の比率から判定しようというものです。つまり[Ca-0.87×Na]の値が5.2以上であれば健康に良い水だというものですが、これも同類ですね」
博士「その通りです。カルシウムやナトリウムを計ってみても余り意味がありません。水の原点が無視されているからです。「溶媒」を忘れた「溶質」の議論に過ぎないからです。分って頂きたいことは「溶質」のデータだけでは何の意味もないということなのです」
取材「では、「溶媒」つまりH2Oの働きをどう考えればいいのですか」
博士「H2Oという化学式は、二個の水素(H)と一個の酸素(O)の化合物であることを表しています。ところで、水素の働きといえば「還元」、また酸素(O)の働きといえば「酸化」だということになります」
取材「そうしますと、還元力と酸化力を調べなければならない、というわけですね」

会話はまだ続きますが、長くなりますので要点を書きますと、医学博士は、還元力のある水の指標として、水に含まれれている水素の量(溶存水素量=DH)、水に含まれる酸素の量(溶存酸素量=DO)、それから還元力と酸化力の指標としての酸化還元電位=RPを調べることが必要だと取材陣に伝えました。
「もし、ノルデナウの水が病気を治すというのが本当であれば、その水の三条件は「溶存水素量は高度であること、溶存酸素量は低度であること、そして酸化還元電位はマイナスであると考えられます」

取材スタッフは4月27日にノルデナウに飛び、5月7日、取材を終えてノルデナウから持ち帰った水を、九州大学大学院の白畑教授の研究室に持ち込み分析してもらいました。
分析結果は・・・・溶存水素は少なく酸化還元電位はプラス300mv程度で、還元力のある水の三条件で見る限り、ノルデナウの水に特に変わったところがない・・これでは普通の水と変わらないと冷や汗ものだったそうです。
白畑教授が「一時間ほどかかりますが、活性水素を測定してみましょう」といわれ、その結果が出てやっとノルデナウの水の正体が判明したのです。
水素といっても分子状水素(H2)と原子状の水素(H)があり、白畑教授が明らかにされたことですが、万病の原因である「活性酸素」を消すのは実は「活性水素」=原子状水素(H)のことなのです。従って重要なのは活性水素つまり原子状の水素の力であって分子状の水素ではないのです。一方、DH(溶存水素量)が示すのは分子状の水素の値であるため、DHの値が大きくとも必ずしも原子状の水素、活性水素の値も大きいとは限らないということもありうるのです。
ノルデナウの水には分子状の水素は含まれていなかったが、原子状の水素は含まれていた。そのため、病気が治るという現象が起きたといえることが明らかになりました。
ゲルゼンキルヘン研究所では解明できなかった謎がようやく解明されるに至ったのです。こうした経緯を経て平成10年6月13日(土)午後7時、テレビ朝日系の番組「真相解明!噂のファイル=「万病に効く!?奇跡の水」が放映されました。

なお、取材陣は医学博士から白畑教授の「BBRC」論文のコピーを渡されたのですが、次のようなエピソードがあったそうです。
「取材当初、相手方は、遠い日本からこんな辺鄙なところまで、なぜわざわざ取材に来るのだ。日本人はもの好きな連中だな、といわんばかりの態度でした。ところがBBRC論文のコピーを手渡した翌日から彼らの態度が一変してしまいました。何しろ、私たちの持っていた重たい荷物を運ぶのを手伝ってくれるよういになったくらいですから、少々、いい気分でした」

白畑教授の研究は「原子状の水素=活性水素論」ですが、近年、日本医科大学の太田教授等が「分子状の水素=水素ガス」論を発表いたしました。白畑教授は本年6月にカロリンスカ研究所いおいてセミナーを行いましたが、その際、
(Nature Medicineという一流の学術誌に水素ガズが活性酸素を消去するという論文が発表されて注目されていますが)セミナーに出席された名誉教授の先生は「私たちがNature Medicineの論文に注目しているのは、それが新たな研究の始まりを示しているからです。Nature Medicineに発表された論文の内容自体が間違っている場合もあることはよく知っています。頑張ってください」と親切に励ましてくださったとのこと。

医学会における世界最高峰の研究機関のひとつであるカロリンスカ研究所において、水の還元力=その力が原子状の水素か分子状の水素であるかは今後の研究の成果を待つとしても、このことに注目しているという事実があります。そのスタートが1997年の白畑教授のBBRC論文であったということです。
「奇跡の水」もその正体が明らかにされた今日、それは奇跡でもなんでもなく科学的に説明がつく水になってしまったのです。

「ルルドの水の奇跡を目の当たりに見た」アラン・カレル博士は次のように述べておられます。

たしかに、本当に証明された科学的事実は決して疑ってはならない。しかし、若干の明らかな点を除げば、自然法則というものは非常に厚い闇に覆われているので、事を現在知られている法則だげに限定してしまうなら、認識の領域は非常に狭められることになるだろう。
おそらく、まだ他に多くの法則が存在するのであり、科学の進歩は新事実を求め、異常な現象を分析して、その特性を明確にし、既知の事実とどこで異なるかを見て、ついには新法則を見出すところに存在するのである。
科学はつねに、欺瞞と軽信を警戒しなければならない。しかし、ある事実が異常に見え、科学がそれを説明できないというだけで、その事実を排斥してしまうことは控えるのが科学の義務である。
医学の世界では多くの人が、自分が観察したこともない事実を否定している。それでは判断において過ちを犯していると言わねばならない。 --後略--」

カロリンスカへの道へのスタートは、「1997年の白畑教授のBBRC論文であった」と書きましたが、実は本当のスタートは白畑教授を超えて、はるかアラン・カレル博士まで遡ることになるのではないでしょうか。しかし長い道のりの終着点も、ようやくが視界に入ってきたように思えます。21世紀の科学がいつまでも19世紀、20世紀の科学から逸脱しないわけがありません。科学の研究も進歩していくわけですから・・・。