酸化・還元・・水素水
私たちの住む世界は「酸化・還元反応の世界」だそうだ。酸化とは鉄がさびる、食物が腐食する、若々しい肌が失われる、老化する・・などを言う。 還元反応は酸化の反対の現象だから、鉄が錆びにくくなったり、食物が腐食しにくくなったり、若々しい肌に蘇る、若々しくなる・・などの現象を言う。 どうやら病になることも酸化反応だという。病と老化の元は「活性酸素」といわれて久しい。 ところで、「酸化・還元反応の世界」というからには、私たちは、日常、私たちの身の周りで「酸化現象」や「還元現象」を目にしたり体験している事になる。 確かに、「酸化現象」=鉄が錆びる。食物が腐食するなど=は私たちの身の回りで日常的に起きているので、誰もが理解できるだろう。しかし「還元現象」はどうだろう。 錆びた鉄が、ある日ピカピカになっていたとか、痛んでしまって捨てようと思っていた伊予かんが、鮮度が蘇っておいしく食べられたなどということを、日常的に体験しているでしょうか? 答えは簡単です。「そんな馬鹿なこと起こるわけがない」。 私たちの住む世界は「酸化・還元反応の世界」と言われているのに、私たちは「酸化現象」しか体験していないことに気がつくだろう。 つまり、私たちは「酸化反応」の世界に住んでいるのであって「還元反応」とは縁がない。 識者に問いたい。「日常的に起こっている「還元反応」って一体どんなことかあるのか、教えてください」と! 私たちが物事を判断する基準は、過去の体験や知識を基にしている。知識の裏付けも実験や起きている現象を見て納得して理解しているのであって、その範疇を超えるものは理解できない。 「酸化・還元反応の世界」という言葉はあっても、現実には理解できない。それは科学の世界でも通じている。 写真をご覧いただこう。錆が生じたスパナを錆を取るために水に浸している様子である。 「馬鹿もやすみやすみ言え!水に浸したら益々錆びるだけだろう」と皆さんは言うだろう。それが常識だから・・。 水とはどのようなものかという知識・観念・常識というものが皆さんの頭の中にあって、錆を取るためにスパナを水に浸すなど非常識と自然に判断しているのである。
実は、スパナを浸した水は、トリムイオンで生成した「電解還元水」である。我々が日常体験している「酸化現象」とは反対の「還元現象」を引き出す水である。 12時間後のスパナの状態である。赤錆が取れている。
トリムイオンを利用されている方は、知らず知らずに日常的に「還元現象」を体験している。例えば「お豆腐が日持ちする」とか保温器のご飯が「翌日になっても黄ばまない」とか、野菜を還元水に浸しておくとパリっと鮮度が蘇り、野菜サラダがとても美味しいと感激の体験を伝えていただいた主婦の方もおられます。 福岡県のイカ漁を営んでいる方からは「市場に出荷するイカはパリっとしたものを出荷し、家で食べるイカは鮮度が落ちたフニャっとしたイカだったが、トリムイオンの水にイカを浸して、家でもパリっとしたイカを食べられるようになった」と知らせていただきました。
 | その後再び水に・・水素の気泡が。 |
酸化を起こす原因のひとつが酸素であることは皆様ご存知でしょう。一方、還元力の代表選手に「水素」があります。電解還元水は電気分解によってマイナス極側に水素を含んだ水を生成します。この水素が還元力を発揮しているのです。 水で車が走ることが実用化されつつあります。そのひとつの方法が水を電気分解して水素を取り出して車に水素を供給する水素スタンドです。水を電気分解して還元力のある水素を取り出して車を動かしているという事実や、還元水によって起きている還元現象を前にして「還元水」と呼ぶのはもう止めにしないか」はあまりにも「ノー天気}です。
・・・活性酸素消去効果の原因物質は水そのものではない。もう、「還元水」という呼び方を止めるべき時にきているのではないだろうか。この呼び名を使う限り、「水に機能を持たせる」という幻想から脱却できないように思う。そういう幻想に振り回される限り、本当に有用な物質を探し当てるまでの回り道が長くなるだけではないか。水は溶媒か分散媒体であり、化学反応の種類によっては反応物質にもなるかもしれないが、水そのものが何か新規な機能を持つことはないのだ。
これで、私は、白畑教授と宮本教授の発表を両方ともきいたことになる。科学として、よりシンプルな道を緻密に進んでいるのは、宮本教授の方ではないかというのが、私の感想である。「還元水」「活性水素」ということにこだわったがために、白畑教授は、先に研究を始めていたにも関わらず、途中で迷ってしまったように見える。 白畑教授、宮本教授は双方とも、産学連携の中で研究を進めている。白畑教授は、電解水製造業者の日本トリムや、ひょっとすると日田天領水の販売元と組んでいるのに対し、宮本教授の方はナノ材料を売ろうという企業と組んでいるという違いがある。白畑教授の方は、原因物質の異なる水商売業者と同時に関わったために、「還元水」「活性水素」というキーワードを外せなかったのではないかと思えて仕方がない。 産学連携の動きは、私の職場でもあるし、私自身も企業からの受託研究を行っている。こういうウェブぺージを作っているおかげで、幸か不幸か、おかしな水商売業者からの研究委託は今のところない。会社と組む場合には、充分話し合って、研究の自然な流れを曲げないような形で、かつお互いの利益になるように組まなければならないなあ、と思ったりしている。 |
さて、前にも書いたが、医学の世界で「病と老化の元は活性酸素」と言い出してから久しい。ところが医学会もご多分にもれず「酸化・還元反応の世界」の言葉と同じように言葉は知っていても本当にそのことを理解していない。 なぜならば、医療の現場では薬による対処療法を行っているが病の元を断つ活性酸素を消してしまうという療法は聞いたことがない。 悪臭を消すのに悪臭の元を断たずに消臭剤を使用しているのと同じである。だからいつまでたっても消臭剤が必要となる。病人が薬に頼り続けるのと同じである。 病が酸化によって起こるのなら還元力によって還元してしまえばよい。錆びたスパナを人体に例えれば赤錆が生じているところが病の箇所である。そこが肝臓か心臓か、あるいは糖尿病か・・錆びた場所が病の場所であるのだから、そこの錆をとればいい。とる方法は「還元反応」を利用すればよいということである。 宇宙の万物は同じ物質で作られているそうである。食物や金属に起きた還元現象が、同じ物質で作られている人体にも起きるであろうということを否定することはできないだろう。 科学に携わるものは人類の福祉と幸せのために貢献すべきである。前向きに研究をされて、人類社会に貢献されんことを願っている。
|