昨夜、就寝中に隣で寝ている娘に蹴飛ばされ、目が覚めた。
その後眠れなくなり、読書をすることに。

佐々木正美 著
『子どもへのまなざし』 (福音館書店)
湘南子育て日記


この本は、子育てに対する親の心の持ちかたを示してくれる
1冊で、私にとって大切な本のひとつだ。
子育てについて、また自分の生き方について
迷ったり、悩んだりしたとき、
これまで何度もページを開いてきた。

今回はもう一度最初から読み返してみることにした。

【乳幼児期は人格の基礎をつくるとき】
湘南子育て日記

奈良の法隆寺や薬師寺の五重塔は1300年も
沈むことなく立っていられるのは、
がっしりとした基礎づくりがあったからだそうだ。
硬い地盤まで1.5m地中を掘り返し、
その上に良質の粘土を約1寸(3cm)ほどつき固め、
その上に砂をおいてつき固め、
というのを繰り返して、地上から5尺(15cm)まで
基壇をつくりあげてあるのだそうだ。

そのため頑丈な土台ができ、
これまで近畿地方を襲った40回以上の大地震にも耐え、
しっかりと建物を支えてこられたのだ。

これを育児にたとえると、
その基礎工事が乳幼児期にあたる
とおっしゃっている。

そういう意味からいくと、小中学校ぐらいが柱や床。
高校ぐらいで外装工事、
大学や大学院・留学は内装工事やカーペットや家具だという。

あとからやるものは、やり直しがきくが、
基礎工事はそうはいかない。

現在社会では、人格をつくるための
乳幼児期の基礎工事をしくじって
大人になってから問題を生じてくる
というケースも少なくない。

そういう意味で、乳幼時期の育児にあたることは、
ひとりの人間の基礎を決定するのだから、
どれほど価値が大きく、責任の重いことか。

この時期の育児は、子どもの要求や期待に
できるだけ十分にこたえてあげる、
こちらから伝えたいことは、
穏やかに、何回も繰り返し伝える、
いらだったり、叱ったりする必要はない、
それだけのことでだいたいいいと先生は説く。

「つぎの時代を生きる子どもたちに、
十分愛されることの喜びを与えること、
育児はそれで十分なのですね。
人間は愛されることから、生きる喜びを感じ始めるのですから」
と結んでいる。

基礎工事の話は、学生のときに授業で聞いたことがある。
その時は、そんなものかと聞き流していた。

自分が子どもを育てるようになって、
その言葉の意味がよくわかるようになった。
生後まもない赤ちゃんは、自分で動くことも話すこともできない。
泣くことで自分の要求を伝えるしかない。

その要求に十分にこたえてあげることで
子どもはその人に信頼感をもつようになる。
まさにそれが人間関係を結ぶの第1歩といえるだろう。

この信頼関係が基礎となり、家族、先生や友達、地社の人々・・・
というふうに交流の範囲を広げ、人格を作っていく。

人間は、人との関係性の中で生きていく生き物だ。
この関係性のなかでしか生きることができない
といってもいいかもしれない。

つまるところ、乳幼児期は周りの人が関わることで、
「たのしい」
「うれしい」
「おもしろい」
を子どもにたくさん感じてもらえば、それで大丈夫。
そんなふうに思っている。

うちの子もいっしょにいて、
かなりおもしろいので、ま、それでOKとしよう。