【天声人語】2006年05月23日

 ノルウェーの画家ムンクは、絵の主題として人間の死や病のほかに、性をよく選んだ。乙女と裸の娼婦(しょうふ)と尼僧を一枚に描いた「女性三相」を出展した19世紀末の個展は、激しい非難を浴びたという。「会場のボイコットだとか、警官を呼べとか叫ばれたのである」と、ムンクは述べている(R・スタング『エドワルド・ムンク』講談社・稲冨正彦訳)。


【感想】
キーワード:敵と友人
 人間関係とは難しいもので、少し前までは友人だった人が寝返って敵になったり、逆に対立していた相手と和解して、生涯の友になったりもする。いったい何がめまぐるしく人を対立させたり、仲をよくさせたりするのだろうか。
 その一つは誤解だろうか。相手との微妙な齟齬が徐々に大きくなって、取り返しのつかないことになることもあれば、誤解が解けてそれが埋まることもあるだろう。ようするに、対話をすることでどちらにも転がるのだろう。特に、気に食わない人間が、実はそうでもなかった、ということが多いのではないだろうか。
 誰かを評価するとき、実際に話してみてから決めないと、味方になるはずの人間とまで敵対する羽目になってしまう。まずはコミュニケーション。これが大切なのではないか。