【天声人語】2006年05月16日
広島でも長崎でも、原爆は地面すれすれで炸裂(さくれつ)したのではない。広島は約600メートル、長崎では約500メートルの高さで爆発した。かつて爆心地でその辺りを仰ぎ見た時、熱線や放射線をより広い範囲に浴びせるための悪魔的な計算なのかと思った。その瞬間の爆心地周辺を想像する度に、背筋が凍り付く思いがする。
【感想】
キーワード:原爆
技術そのものに善悪はない。使う側の人間によって善くも悪くものなるものだ。よく聞く言葉である。原爆そのものにも言えるだろう。その技術は原子力発電所で使われ、日本の3割の電気を供給している。
ただ、原発にしても臨界事故が起こる危険性はある。過去のチェルノブイリの惨事は我々に原発の恐ろしさを刻み付けた。
どんなものも使い手しだいなのだ。身近にある包丁やゴルフクラブでさえ、日常の便利なツールであり趣味の道具である。その一方で人を殺める凶器にもなりうる。危険だから、という理由で遠ざけるのではなく、いかに危険がないようにするかを考えなければならないと思う。技術の進歩は我々の生活を豊かにするだけでなく、危険も遠ざけるものだと信じる。