1991年、アーケードゲームを、いや、世界を震撼させたゲームが登場しました。
その名も「ストリートファイターⅡ(以下、ストⅡ)」。
1989年に発売された「ファイナルファイト」で、その大きなキャラクターと多彩なアクション、己の肉体で敵を倒していく「格闘」の楽しさを体感した後でのリリースでした。
ファイナルファイトよりも格闘アクションに磨きをかけ、多くの敵を次々になぎ倒していくスタイルから一転、一対一のタイマン勝負をするゲームとして登場し、爽快感が上がりました。
しかし、ボタンはこれまで2,3個だったものがいきなり6個になり、レバーとの組み合わせにより出せる必殺技はコマンドが難しいなど、とにかく覚えることが多く、操作も複雑になりました。それでも、闘争本能に訴えかけるようなゲーム性は、その難しさも克服し、先にある楽しさを知りたいと思わせるのに十分な魅力を持っていました。
ゲームセンターに入るや否や、筐体の周りには人だかりができ、順番を待つ行列が出来ていました。時間の経過と共に、稼働台数も増えた事で行列は解消されましたが、休日ともなると待たされる事もしばしばありました。
そんな状況の中で、駅前にあるスーパーマーケットの一画に、ストⅡが設置されたという情報が入ると、学校帰りに寄り道をしました。そのスーパーマーケットには、これまでにゲームコーナーがあったわけでもなく、ストⅡだけが突如登場したため、多くのゲーマーがノーマークでした。
その結果、近所の子供は遊んでいたかもしれませんが、ほとんどの場合は待ち時間ゼロでプレイ出来たので、練習するのに大変重宝しました。
そんな感じで、僕も流行に乗るかのようにストⅡは練習しましたし楽しみましたが、並行して他のゲームも遊んでいました。
一番プレイしたのは、「ワルキューレの伝説」です。
ワルキューレの伝説は、ファイナルファイトと同じ年に登場したアクションゲームです。世界観と魅力的なキャラクター、そしてゲームを盛り上げる音楽が大好きで、僕が初めてゲームセンターのゲームをクリアしようと心に決めた、決して忘れられないゲームです。
アーケードゲーム専門誌「ゲーメスト」を何度も読み込み、ゲーセンに行っては実践するという毎日でした。その甲斐もあって、一年がかりで何とかクリアする事が出来ましたが、その後もプレイを続けていました。
家庭用ゲーム機「PCエンジン」にも移植されたものの、ハードスペックの差が大きかったのか、だいぶアレンジされていた事が大きな理由です。
ストⅡが登場したとき、すでにワルキューレの伝説はクリアしていたので、二足のわらじを履かなくて済んだのですが、並行して遊ぶにはお金が必要です。少ないお小遣いをやりくりするために、メインではストⅡを遊び、気分を変えたい時はワルキューレの伝説をプレイしていました。
時は進んで1993年。初めてアーケードゲームの展示会「アミューズメントマシンショー(AMショー)」に行きました。それまでは、新作ゲームと言えば雑誌などの誌面でしか見る事は出来ませんでしたが、このイベントに行けば、動いている画面を、そして音楽を聞く事が出来ます。
さらに、うまくいけば実際にゲームを遊ぶ事も出来るので、この時は、僕も経験がないほどテンションが上がりました。
そして、このとき初めて遊んだゲームが「バーチャファイター(初代)」でした。ストⅡと同じ格闘ゲームでしたが、当時、最新のCG技術を用いたキャラクターの動きは非常にリアルで、後に登場するゲームにも大きな影響を与えました。しかし、この時は目新し過ぎて、本来のバーチャファイターの面白さがわからず、僕の評価としては悪かった事を覚えています。
その後もメーカーのブースを見て回りましたが、たまたま通りがかったステージの映像に、僕は釘付けになりました。
期待の新作として発表されていた格闘ゲーム「餓狼伝説スペシャル」に、本来居てはいけないキャラクターが登場していたのです。何の告知もされていなかったので(少なくとも僕は知りませんでした)、突然の映像に鼓動が高鳴るのがわかりました。
こういうサプライズも、リアルタイムで体験する事が出来るのがイベントの醍醐味なのだと実感しました。
そして、格闘ゲームの盛り上がりそのままに、翌年にはプレイステーション(初代)を代表とする高スペックの家庭用ゲーム機が発売されました。それは、家でアーケードゲームに近い感覚で遊べるようになった事を意味しており、さらなる盛り上がりをみせました。
そんな1990年代。現在(2018年)と違い、ゲームセンターが当たり前のようにあった時代。発売される新作ゲームといえば、徐々に「格闘ゲーム」ばかりになっていった時代。それでも、ストリートファイターⅡをきっかけにして、ゲームセンターのプレイヤーが増えて、ゲームセンターに活気があった時代。そんな懐かしい時代の空気感がここにあります。
「ハイスコアガール」
