情報とは「多々ますます弁ず」
政治ビラかなり旧聞ですが、2004年1月、東京都立川市の防衛庁宿舎に、自衛隊イラク派遣に反対するビラを無断配布したとして逮捕起訴された三名の市民団体員に対して、最高裁は一審の無罪判決をくつがえして有罪 として罰金刑を言い渡しています。その流れに乗ったのか、7月1日には「早急に核武装しよう」などと書いたビラを、郵便箱に配布するために5月に防衛省宿舎に侵入したとして邸宅侵入の疑いで御殿場市が逮捕 し、同月3日には警視庁小金井署が東京都国分寺市の共産党市議を書類送検 したことが判明しました。これは共産党市議団発行のビラ「市議会報告」をマンションの集合ポストに投函するために敷地内に立ち入ったとされたものです。
最高裁の判決は『表現の自由」を危うくするものとして各方面から批判されていますが、私がもっとも鋭いと思ったのはいわゆるパブリック・ニュースの一つであるJanJanNewsの署名記事です。「『ビラ配布有罪』判決を下した最高裁判事たち」 というその記事は、その判決に少数意見が書かれていないことに注目し、判決を下した第二小法廷のメンバーのうち、古参の最高裁長官ともう一人の検事出身の判事が自ら忌避したのかどうか、判決に関与していないことを明らかにし、残りの3名がいずれも比較的最近に最高裁判事に任命されていることを記しています。3名のうち今井判事(裁判長)は04年に判事任命でそれまでのほとんどを最高裁事務局にいた人物。津野判事は大蔵省から内閣法制局に入って長官となり、04年から判事。中川判事は弁護士出身で05年に判事に任命されています。最高裁判事を任命するのは内閣で、つまり彼らを任命したのはすべて01年4月~06年9月に首相であったあの小泉氏ということになります。そして、08年の4月の時点で、朝刊を含む最高裁判事15人のうち12人までが小泉内閣の任命だったのです。ついでながら残りの3名は安倍内閣の任命です。
このことは私の知る限りマスコミでは指摘されたことがないはずで、考えようではカイカクで日本をぼろぼろにしたことと並んで、小泉氏の大きな負の遺産です。実はこのブログを書き始めたモチーフは、ビラのようなものを制限されると、私のような聴覚障害者はいよいよ政治情報から遠ざけられることを主張したかったのですが、判決の日時を検索している間にJanJanNewsの記事に行き当たりました。問題はそれ以前というか、それ以上のものだったのです。アメリカでも最高裁判事は大統領の指名、上院の承認で任命されますが、日本では70歳定年であるのに対し、アメリカでは任期が終身ですから、同一の大統領に指名された判事が過半数になることはなかなかないようです。最高裁判事は調べてみると国会同意人事ではないようですが、今後は内閣の勝手にならないように参議院の現野党に頑張ってもらわねばなりません。新しい判事については、マスコミも詳しい履歴を報道するべきです。
改めて付け加えますが、聴覚障害者は政治家の肉声を聞くことができません。テレビでも誤変換を恐れてか、政治家の発言をそのまま字幕にすることは滅多にありません。政見放送の一部には手話がつきますが、手話を十分に解さない中途視聴者などのための字幕はありません。さらに街頭での演説など、手話通訳は認められていますが、筆記して聴覚障害者に見せることは、法定外文書の配布となるということで、原則として禁止されています。従って字による情報がほとんど唯一の手がかりです。その意味で選挙の際に時々入るビラは大変参考になりますが、最高裁判決に従うということで、こういうものも制限されていくのでしょう。一方、カットにあげたのは政府の年金関係のビラですが、こういうものは例えば新聞折込の形で今後も堂々と入ってくるのではないかと思います。
☆最高裁 改革よりは 革命を
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