落書き--国の恥か悪戯か | 回廊を行く――重複障害者の生活と意見

落書き--国の恥か悪戯か

firenze
フィレンツェ:サンタマリア・デル・フォーレ大聖堂

イタリアの観光地の有名な教会堂で女子短大生の落書きが見つかり、それから泥縄式に大学生、高校野球の監督と次々に旧悪が明らかになっています。大学生は停学となり、野球部監督は解任されました。相変わらず日本社会は庶民には手厳しい。

これに対して「落書き:伊紙『あり得ない』 日本の厳罰処分に」という記事 もあり、

「フィレンツェに限らず、イタリアでは古代遺跡はスプレーにまみれ、アルプスの山々には石を組んだ文字があふれる。その大半がイタリア人によるものだ。同紙は「日本のメディアによる騒ぎは過剰だ」と、日本人の措置の厳しさに疑問を投げ掛けた。コリエレ・デラ・セラ紙も『行為はひどいが、解任や停学はやり過ぎ』と論評した。」ということです。

もっともこの記事は「一方でレプブリカ紙によると、大聖堂の技術責任者、ビアンキーニ氏は『日本の出来事は、落書きが合法と思っているイタリア人にはいい教訓だ』と語った。」と続けていますが。

落書きを意味する英語で落書きを意味するgraffiti
という言葉はイタリア語が起源 で、何かを公に知らせたい手段として壁などに引っかいて字を書いた。その引っかいた跡がgraffitoで、複数のgraffitiが落書きとして通用するようになったということで、そのイタリアでこういう話題が出てきたのは奇遇ですが、なるほど御当地だから日本ほどには重大視しないわけです。フランスとか、他の文化財の多い国の様子を知りたいですね。

有名なブログの「きっこのブログ 」によれば、

実は、この大聖堂は、落書きのメッカで、柱や壁が落書きだらけなのだ。そして、そのほとんどが、恋人同士や夫婦など、カップルの名前が書いてあるものなのだ。何でかって言うと、この大聖堂の入口付近には、何人もの「油性マジック売り」がいて、カップルの観光客を見つけるやいなや、ソッコーって近づいて来る。そして、こう言うのだ。

「この大聖堂の最上階の展望台まで上って、そこの柱や壁に自分たち2人の名前を書いて来ると、永遠の幸せが約束されるんですよ」

そして、バッグの中にたくさん持ってる太い油性マジックを現地の定価の5倍、10倍の値段で売りつけるのだ。


ということで、どうやら厳罰に呆れるという方が主流のようです。しかし日本はやはり日本なので、産経新聞の【外信コラム】 には次のような真面目な主張もありました。

幸い新しく選出されたローマ市長は、落書きに対し厳しい罰則条例を用意することに意欲を示している。日本人落書き事件が一部イタリア人青少年の慢性的な悪癖を退治するきっかけとなるよう祈る。

これを書いた記者はイタリアで何年暮らしているのかは知りません。しかしイタリア人が驚いたのは日本人の落書きそのものより実行者に対する厳罰だとこの記事でも書いていますが、その後の結語がこれではいよいよ判断の基準に迷います。


それでも日本の軍事力による貢献が少なすぎるとか、あるいは国旗国歌に対する態度が日本人は特異だとか、日本と外国を比較するこういった前提からの議論を読む時には、まずその前提から疑ってかからなくてはならないこともあるということはわかってきました。


☆郷に入り 郷に従い 責められる



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