説明責任--竹中平蔵氏の矜持のほど | 回廊を行く――重複障害者の生活と意見

説明責任--竹中平蔵氏の矜持のほど

勢子 huntsman

2月のこのブログで『生霊の「啓蟄」 』と題して竹中半蔵氏の露出が増えてきたことを書きましたが、その傾向に拍車がかかっているようです。ただ私は聞こえないので、テレビで発言していても内容がわからないのが残念なのですが、土曜日(25日)のTBSテレビの「報道NEXT」という番組にチャンネルを合わせると字幕がついており、竹中氏がキャスターの隣に座っていました。「あとでゆっくりお話をうかがわせていただきます」と言われていたので、いい機会だと録画の予約をわざわざ外して、そちらに切り替えました。1時間以上の番組だったので、後で早回しで竹中氏の発言あたりだけ確認しようと思ったのです。

ところが後で再生して見るとあいにくなことにと言うか、よくあることなのですが、いろいろなニュースを出してから「字幕はここまでにさせていただきます」という、お断りの字幕が入りました。私の目論みは外れたわけですが、それでもニュースの間に「ここまでのニュースをご覧になって、印象に残ったものはありますか」と水を向けられた竹中氏が、「六本木ヒルズの屋上が開放されたのはいいですね。東京が一望できます。外国の都市に行くと一番高いところに行って市内を見渡すものですが、東京にもそういうところがあるのはいい」。ただでさえ高所恐怖症の私にはそういう趣味はありませんが、上からの目線で物事を考え、地べたを這い回っている一般国民のことは眼中にないという、竹中氏のメンタリティがよくわかる発言でした。

竹中平蔵公式ウェブサイト 」というのがあり、最近の動静やら執筆やテレビ出演の記録やら、講演依頼の書類の書式まで付いていて至れり尽くせりです。私の見たのでは最新が26日の日程ですが、どういうわけか載っていないものに『週刊文春』4月17日号の作家幸田
真音氏との対談『ニッポン経済の『ここ』が危ない!』があります。全体として官僚に甘い福田首相を批判するトーンのものですが、竹中氏は半年前に「日本の経済は悪くなる」と書いているそうで、「その通りになってしまいましたね」といささか誇らしげ。も少し前には誰が権力を握っていたのかと思うと、たちの悪いマッチポンプの類で、後で大きな顔をするために何か仕込んでいたのではないかとさえ思いたくもなります。

続けて「日本経済が悪くなっている理由は三つあります。第一は、日本経済に対する期待成長率が低下したこと。これは政治の責任です」。よくも言ったりで。これもついこの間まで竹中氏本人が責任者一人だったのではないでしょうか。自民党が大敗を喫した一因となった「後期高齢者医療制度」も、小泉=竹中政権の後遺症の一つですが、そのマイナス面が明らかになりつつある現在でも、責任は取らないが大きなことは言うという教師に教えられている慶応の学生は気の毒です。責任は取らないで勝ち組になろうという志向の者にはふさわしい講義をしているのかもしれませんが。

一番噴飯ものであったのは、コンプライアンスを重視しすぎてはならないということの例として、「その象徴が建築基準法。耐震偽装を防がなくてはならないからとルールを作ったものの、厳しすぎて、それをチェックする態勢がまるでできていないことが後でわかった。結果、住宅着工件数が30%も落ち込んでしまったというのは、政策としてムチャクチャです」。建築基準法改正は2006年で、施行が07年だったので、06年の秋までは閣僚だった竹中氏は関係はないのかなどと言っても馬の耳に念仏でしょうが、しかし竹中氏が音頭を取った規制緩和で建築物の確認・検査が民営化されたことにより、構造計算書偽造問題も出来したという経緯は、竹中氏の念頭にはないのでしょうか。

また次のような個所もありました。幸田氏が「私の年金も消えていた」と言ったのに対して、竹中氏は「じつは私も消えていた(笑)。〔中略〕こんな簡単な記録さえできない人に、さらにむずかしい、消えた記録を探し出すなんて、できるはずはない」。竹中氏も国民年金の保険料を支払っていなかったが、同じ小泉内閣で保険料不払いの責任を取って現首相の福田官房長官は辞任したのに、竹中氏は居座って参議院議員に立候補したということを思いあわせると、この対談はお笑いとして読むべきかとも思わされます。

☆高層の 高みで痛み 見ずに済み


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