車本位制? | 回廊を行く――重複障害者の生活と意見

車本位制?

seasawシーソー

ガソリンが安くなるのはたしかに福音で、値上がり続きの昨今だとなおさらのことですが、手放しで喜んでいいのかという気がしないでもありません。ガソリンが安くなると車の利用度も増し、環境によくないという福田首相の言葉はあちこちで冷笑の的になっていますが、環境問題に直結させるところはおかしくても、車利用の増加が問題でないことはないという意味ではあながち誤りでもありません。

車及びその利用が増えて、一番被害を受けているのは高齢者、なかんずく地方の高齢者でしょう。地方でなくとも都会でも道を歩くのに危険を感じさせられていますが、地方では公共交通の利用者を減らすことにより、高齢者の利用しやすいバスなどの交通機関をの採算を悪化させ、廃止に追い込んでいます。高齢者は車に乗せてもらうことによって利便を与えられてもいますが、バスの類がなくなることによって自立した行動をとりにくくさせられているのは事実です。人の車に乗せてもらえない境遇の者もいるのです。ガソリンなりマイカーなりに高率の税をかけ、公共交通を復興させるというのも一つの政治だと思います。

一方で最近よく聞くのは高齢者が運転免許を返上するという動きです。運動神経や精神上の老いから年とともに自動車運転が危険なものになることは否定できず、高速道路の逆送といった事件も起こるので、免許の返上は好ましい傾向とも言えましょう。ついでに運転しなくなった高齢者および運転しない高齢者の移動を、公共交通でサポートする体制があれば言うことはありません。

しかし運転免許を返上した者に特典を与えるというのを聞くと、いささか首を傾げてしまいます。「免許証を返上するとこんな特典がある! 」という記事によると、「警視庁は4月から高齢者の運転免許自主返納をサポートする事業を開始している」。「自主返還をすると『運転経歴証明書』が取得できる」。「この証明書にはさまざまな特典がある」。この特典というのには、「恩賜上野動物園」「多摩動物公園」「葛西臨海水族館」「井の頭自然文化園」に行くときに「証明書」を提示すると記念品がもらえるほか、ホテルのレストランが1割引になったり、デパートの配送料が無料になったりと、数多くあるそうです。

免許を持っている方々なら、別に返納する気持はなくても、この話はほほえましいものと受け取られるかもしれません。しかし始めから免許を持っていない者には、これでは踏んだり蹴ったりだなという思いを抱く者もあるのではないでしょうか。「返納」に対してインセンティブが必要なのはわかりますが、せいぜいのところ割引券のような一時的なものにして、車を利用してこれまで社会に様々な影響を与えた者に、終生特典が続くような形のものは遠慮してほしいと思います。

☆経歴で 一割引の 飯が食え


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