視覚障害者が知事に--アメリカの話 | 回廊を行く――重複障害者の生活と意見

視覚障害者が知事に--アメリカの話

NY州旗 ニューヨーク州旗

買春事件で辞任したニューヨーク州のスピッツァー知事の辞任を受け、同州のデービッド・パターソン副知事が17日に後任の知事に就任しましたが、産経新聞 の記事では「ニューヨーク州では初めての黒人知事。パターソン氏は盲人認定を受けており、米史上2人目の目の不自由な州知事となる。」とあります。「盲人認定を受けており」というのが意味不明ですが、おそらくはこのことを報じているいくつかの米のウェブサイトに、"legally blind"とあるのを訳したものと思われます。その内容については知人にも聞いてみたところ、正常視力の者が200フィートの距離から見えるのと同等に見るために、矯正した上で20フィートにまで近寄らねばならないのがlegally blindである者であり、また視力は正常でも、視野が20度以下の者もlegally blindであるとされている、という情報を教えていただきました。「米史上2人目の・・・」という点については検索の仕方が悪いせいか不明です。障害をもっていた知事となると、F.D.ルーズベルトなどが思い出されますが。

パターソン氏の経歴はニューヨーク州知事のウェブサイト によれば、1985年に31歳で同州の上院議員となり、2003年にそこで少数派の代表議員に非白人として初めてなっています。04年に民主党の全国集会で演説した最初の
legally blindである者となり、07年にニューヨーク州の初めてのアフリカ系副知事、そして08年にlegally blindである者としてまたアフリカ系の者として、ニューヨークで最初に知事の宣誓を行なった、とあります。クリントン氏とオバマ氏が、女性として、あるいは非白人として、それぞれに最初の大統領となろうと激戦を続けている現在にふさわしいニュースと言えるでしょう。検索中に2006年のメリーランド州の知事選で、知事候補と組んだ副知事候補はやはりlegally blindの女性という記事がありましたから、非白人ないしアフリカ系、障害者、そして女性といった代表的マイノリティが、トップの地位につくということには対してアメリカ人は、我々が思うよりは慣れてきているのかなと思わされました。

それにしてもこのパターソン氏のキャリアは堂々たるものです。よくわかりませんが、必ずしもマイノリティを売り物にしてのし上がったというものではないようです。最初に州上院に当選した1985年といえばADA(アメリカ障害者法)成立の5年前で、ADA以前から障害をもっているということで足を引っ張られることが、すでに少なくなっていたのでしょうか? もっとも、障害者の中でも視覚障害者は昔から社会的に進出する者が多いということはあります。もともとアメリカは日本にくらべて弁舌の巧みさとか演説のうまさが評価される社会ですから、視覚障害に限らず才能のある障害者が頭角を現しやすい社会と言えるでしょう。日本ではその点弁舌についてはマイナスになりかねない傾向があり、全人格的な何かが求められることが多く、
企業や官庁などの組織ではスペシャリストよりゼネラリストの方が上に行くので、障害者には厳しい社会と言えるでしょう。

アメリカではADA成立時の教育省かどこかの次官が聴覚障害者だったと覚えているのですが、聴覚障害者が各方面で活躍しているというのはそれほど聞かないので、やはり「弁舌」の点で損をしているのかなと思います。日本の場合は大勢の前でしゃべるという能力はそれほど求められなくても、「電話番からはじめる」という第一歩で大きなハンディがあります。メールが普及してもそれで聞こえないことが相当代替されるとまでは気がつかない人も多いので、パソコンや携帯によるメールを使うことが天性のようになっている世代が多数を占めるようになれば、少しは変わってくるでしょうか?

☆日本では 知事の話題は 別のこと


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