ホテルのコンプライアンス
ホテルルーム
「日教組が教研全体集会中止 会場拒否のプリンスホテル提訴も 」。この記事を読んですぐ思ったのは、これこそよく言われるコンプライアンスの問題じゃないのかということでした。コンプライアンスというのは法律だけを守ればよいのか、それともそれに社会的要請に応えることも加えるべきなのか、といった論議のはるか以前の問題です。
「日教組は昨年5月、プリンス側と使用申込契約を締結。しかし、プリンス側は11月、右翼団体が昨年、会場周辺で大規模な街宣行動を展開したことを踏まえ、『利用者や周辺住民に迷惑がかかる』と契約解除を通告した」ので、日教組側は使用を求めて仮処分を申請し、東京地裁、高裁ともプリンス側の言い分を退けたということなのに、裁判所、それも高等裁判所の決定に従わないというのですから、我々の常識から言えば社長が逮捕されるようなことになっても不思議ではありません。それが決定を強行する手段はなく、せいぜいが事後に損害賠償を請求できるだけというのですから、他のもろもろも考え合わせると、日本の法体系は会社性善論が基本なのかとも言いたくなります。
日教組の政治的姿勢に対する評価はともかくとして、その教研集会は教育に対してこれまでも数多くの報告や提案で存在意義のあるものです。その日教組が戦後の日本の教育に大きく関わっていたことは、自民党が日本の政治を支配していたことと同列の事実であり、その存在を頭から否定するような行動は近代的企業としてはとるべきではないでしょう。もっとも、プリンスホテル・グループは西武鉄道の傘下にあり、西武鉄道は長く経営に当たった堤一族の特異な税務感覚で指弾されていたような企業ですから、経営者が変わってもその反社会的性格はまだ消えていないと言うべきでしょうか。
一方でコンプライアンスは日本の企業の総本山ともいうべき経団連でも重視されているのは、そのウェブサイトのトップページにコンプライアンスに触れた「企業倫理徹底のお願い 」というバナーを付していることでもわかります。これは会長の御手洗冨士夫氏が昨年の9月25日に出したもので、コンプライアンスについて「体制の整備と見直し」「浸透と徹底」「不祥事が起きた場合の対応」と三つに分けて指針を示しています。またそれ以前に経団連の信条であろう「企業行動憲章」でその7番目の項目として「市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力および団体とは断固として対決する」としています。こういう状況から、プリンスホテルの経営者には遠からず経団連から警告がなされ、会員権などは停止されると思われますが、もしそのような展開がないとすると、それは経団連側にコンプライアンスについて何か後ろ暗いことがあるからと憶測されてもやむをえないでしょう。
他の方のブログで教えられましたが、プリンスホテル自身のウェブサイトにもコンプライアンスについて触れたページが三つもあります。その中の「コンプライアンス体制 」によると、プリンスホテルは「企業倫理ヘルプライン」なるものを設置し、これは「コンプライアンスに関して問題となる事項を従業員が発見したとき、それを会社として速やかに把握することで、より大きな問題に発展することを防ぐ目的で設置しています。」ということです。今回の行動は「より大きな問題に発展することを防ぐ目的」で敢えて高裁の決定にそむいたと解すべきなのでしょうか。あるいはプリンスホテル側の行動は右翼団体の脅しよりも、はるかに大きな圧力によるものかもしれませんが、今回それは別の問題です。この問題についてマスコミは経営者団体の見解を糺すべきです。
☆街宣車 非理法権天の 上をいき
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