靖国参拝と反捕鯨 | 回廊を行く――重複障害者の生活と意見

靖国参拝と反捕鯨

yasukuni靖国神社

日本鯨類研究所のサイトにおいて「鯨類捕鯨調査に対する不法なハラスメント及びテロリズム 」というタイトルの元にビデオ2本を報道用資料として提供し、それには1月15日の日付で「海賊襲撃:反捕鯨団体シーシェパードのテロリストが目視採集船『第2勇新丸』に対し、酪酸弾襲撃をおこなう」という解説がついています。一方オーストラリアのニュースサイト では「私は捕鯨に強く反対する。連邦政府の行動を後押しするものとして法廷の決定以上のものはない。もっとも私は実際の行動を見るまで判断を控えるが。これまでのところラッド政権の反応のうちでは、報道陣を集めて『鯨の虐殺』という言葉を使ったことが最も強いものである。』といった投稿が見らます。さらにYoutubeに「Racist Australia and Japanese whaling 白豪主義オーストラリア 」という、自国ではカンガルーなどを駆除するために虐殺しているのに、日本の捕鯨のみを攻撃するのは人種差別主義的であると主張する映像作品が投稿され、論議を起こしています。

オーストラリア近海における捕鯨をめぐる紛争についての情報は以上のようなものですが、これについて考えてみました。そして思い至ったのは首相の靖国参拝をめぐる中国と日本の軋轢と、捕鯨をめぐる今回の日本とオーストラリアのそれには、似通った構造があるのではないかということです。戦死者を靖国に祭るということには反対者もいますが、遺族の間ではやはり根強く共鳴するものがありました。ただそれを宗教問題、政治問題から国際問題にまでもってきたのは小泉元首相です。いや、小泉氏が最初ではありませんが、国家間の関係がゆらぐような大問題に持ち込んだのは小泉氏です。

しかし小泉氏は首相になる前は、定期的に靖国に参拝するということはしなかったといわれます。これでわかることは靖国参拝は小泉氏の主義といったものではなく、自民党総裁に立候補するに当たって、ひとつのアピール・ポイントとして8月15日に靖国に参拝するということを掲げたということです。それは成功し、総裁になった後は日付こそ公約どおりではなかったが、年1回の参拝を続けるということで、「ブレない」として小泉氏はそれなりの信用と支持を得ました。一方でオーストラリアでは昨年11年9ヶ月ぶりに政権の交代があり、労働党のケビン・ラッドが首相に就任しました。労働党と前政権の自由党とはあまり制作に差はないと言われているそうです。オーストラリアでは一般に捕鯨に反対であり、捕鯨を行なう日本に対する反感があったという背景から、ラッド氏は捕鯨反対の強化ということを、環境政策の一環として強調したということだと思います。

前首相のロバート氏は日本との経済協調を重視し、捕鯨反対については積極的な行動をとりませんでした。そこを狙ったのがラッド氏の捕鯨反対強化という政策だったと考えられます。政治家というものは目的を達するために何でも利用するのだとつくづく思わされます。小泉氏は靖国参拝の他に郵政の改革というものに固執し、強引にそれを実現した後でいろいろなひずみが現われつつあります。郵政のみならず政治経済の全般にわたっての『改革』と称するものが、国民、とりわけ弱者を直撃しているのを見ると、政治家が覇を唱えるのもいいが、その手段についてはよほど考えてもらわねばならないと感じます。オーストラリアのラッド氏の方は、昔は鯨に無関心だったということはまさかないでしょうが、捕鯨反対の強硬策をバックアップすることによって日本との関係をぎくしゃくさせ、アジア太平洋における中国の比重をさらに高めることになるということにまで、果たして思考は及んでいるでしょうか。

☆政治家の 見る目が行くのは 利用価値


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