ニュースの字幕(2)組閣情報など | 回廊を行く――重複障害者の生活と意見

ニュースの字幕(2)組閣情報など

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             NHKkoike

(1)の図像にも通し番号をつけましたが、今回のは8月28日のニュースからで、⑤は上に字幕が、下にテロップが出ているもの。⑥は映っている人の発言がテロップで出ていますが、その前半1/3くらいが字幕で見えなくなっているものです。①から⑥まで、汚い写真ですが、ニュースについた字幕というもののイメージはわかっていただけたと思います。


27日は安倍内閣の改造で、夕方からテレビを見ていました。興味があるという以外に、NTVが組閣の実況みたいなのを字幕つきでやっていたからです。政治家の発言というのはテロップでの要約が多く、NTVの字幕はわりと丹念にフォローしてくれるという期待もありました。記憶に残ったのは石原新調査会長の「模索していきたい」という言葉で、今頃それじゃ困るよと思いましたが、そのうちに舛添新厚労相が登場したので、あれだけの安倍批判をやっていた当人が入閣受け入れについてどう理由付けるかと座りなおしたのですが、あいにくなところでCMの時間。映像が切れたので字幕もあるはずもなく、残念でしたがこれは生中継だったのでやむをえないと言うべきでしょう。


以上は17~18時台でしたが、次に見たのは21時のNHKニュース。安倍首相の記者会見をわりと丹念にフォローする字幕でした。ところがどうもおかしい。家人に聞くと、Q&AのQの部分が音声だけなのです。Aは字幕なのですが、こういうことが情報バリアフリーなのでしょうか。安倍首相が「・・・というお尋ねですが」と言うことがあり、このときばかりは安倍さんがありがたく見えました。Aの内容からQの見当もつくことも多かったのですが、考えてみるとQは内閣記者団か何かが協議して決めるものであるはず。事前に個条書きででも入手できないものかと思います。研究会や講演会の際、要約筆記者や手話通訳はあらゆる手段で語られる内容の情報を事前に入手しようとするのですが、ニュースの場合そこまでやれとはいうのは要求しすぎでしょうか?


これとは別に、ニュース一般に「要人」の発言となると、念を入れるつもりかテロップでまとめが出されることがあります。そして、とくにNHKですが、字幕との連係プレーのつもりかテロップの部分は字幕に出さないことがあります。「次のように述べています」と字幕が出て、その後にテロップが続く・・・はずですが、結果としては「次のように・・・」がテロップの最初の部分を隠し、タイミング次第ではそこは読めないままに終わることがあるのです(⑥参照)。 


ニュースにつく字幕について概論と各論を書きましたが、相手が生のニュースですので、情報保障の要求にも限度があることは理解しています。タイミングにしても字幕が遅れるのは宿命です。また、いつぞや触れた総務省の統計ではニュースや実況中継は字幕付与率の分母から外されているので、ニュースの字幕は言葉は悪いですが恩恵的なもので、いろいろ不十分な点が残されているとも考えられます。字幕の見にくさ、ニュースの中でも字幕がついたりつかなかったりがある点、CMを優先させること、こういったことはニュースが正規の字幕付与番組でないことからきている可能性があります。


それを前提として放送局に望みたいことを列挙してみます。(1)せっかくの字幕なのでテロップを相殺にならないような表示法を。(2)字幕放送を行っているときは、隅に何らかのマークを。NHKのBS放送では右肩にいつも「BS」とありますが、あのようなものです。字幕が出るのを待っていて空振りということもあるので。(3)CMについてはスポンサーと協議して、CMによって字幕が中断することにより悪印象をもたれる可能性を説明する。こういったものです。


もう一つ考えるのは、一頃まではNHKにあった「週刊ニュース」のようなニュースのまとめを放送することです。編集の余裕があれば当然字幕もつけられるわけで、毎日のニュースにもある程度テロップがついているのですから、一貫して字幕のつくニュースが時にはあってもいいでしょう。またNHKに「クローズアップ現代」という優れた解説番組がありますが、関係者とのインタビューがあるせいか字幕はついていません。こういうのは再放送で字幕をつけるか(ドラマなどでは民放でもNHKでも多くの例があります)、あるいはかなりの部分を占める編集部分には字幕をつけ、インタビュー部分にはニュースのようなリアルタイムの字幕とするといった方法も望まれます。討論部分のみリアルタイムの字幕というのには福祉番組の例があります。また「クローズアップ現代」でも必ずしもカレントでないテーマのものがありますから、そういうものから字幕化を試みてほしいものです。一度この番組に字幕をつけた再放送がありましたが、事前に知らなかったので大部分を見逃しました。


常々考えていることを長々書きました。健聴者には縁のない話ですが、老齢による聴力の低下や、あるいは救急や災害の時のコミュニケーションともつながっており、情報保障という見地からは無視できない問題であることを強調しておきたいと思います。多言語国家である諸外国では、どう名づけているかは知りませんが、この情報保障についての関心はもっと一般的です。中国では香港のテレビは字幕つきの番組が多いのですが、これは北京官話の発音では通じないからです。イギリスの障害者法では、英語のできないことも障害としているようです。



☆字幕から 見える社会の 一断面

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