消えたブーイング | 回廊を行く――重複障害者の生活と意見

消えたブーイング

 「いやはや、すごいブーイングの嵐でした。
 これまで音楽会やオペラで、こんな激しく長いブーイングは、聞いたことがありません。
 しかも、このブーイングがあったのは、公演が始まる前のこと。」

 他の件で江川紹子さんのブログを見に行ったら、上のように始まる記事がありました。 サントリーホールのホールオペラ「トゥーランドット」の初日のことで、小泉首相がフィギュアの荒川静香さんを伴って2階席の最前列に現われたときだそうです。その姿が見えた途端、すさまじいブーイングが起きたとのことです。

http://www.egawashoko.com/c011/000061.html

 江川さんも書いておられるように、その政治政策は気に入らなくても、激務を続けていることは確かですから、時にいい席でオペラを楽しむのまでとやかく言うつもりはありません。しかし一番いい席で、しかも元から親しかったのでもない荒川さんとデートでは、少し調子に乗りすぎるというものでしょう。

 このニュースは写真入りでテレビや新聞に出ていましたが、それが狙いであったのでしょう。もう一度江川さんの言葉を借りると、「かなりの人たちの目に、あざとい、という風に映ったのでしょうね、きっと」。オペラを見に来るような人の目にはとりわけそう映ったと思われます。

 お膳立てしたのが誰であるかはわかりませんが、それにホイホイと乗るところが小泉流。一方で荒川さんはあるテレビ番組で高橋尚子さんからプレゼントをもらい、「その方は私をご存知なのでしょうか?」と聞いたという話があるようなナイーヴな人のようですから、そういう人を引っ張り出すとは、「トゥーランドット」という引っ掛かりがあるとは言え、罪なことでした。荒川さんが一人であるか、あるいは他の誰かと一緒であればけっしてブーイングは浴びなかったでしょうから。

 ところでこの話で問題なのは、この「デート」のてん末を報じた新聞もテレビも、ブーイングの方は伝えなかったというところにあります。江川さんの書いたように例のないような大ブーイングであったのなら、それを書き添えるのが報道というものではないでしょうか? 以前ならば新聞記者などが見逃さなかった一こまだと思います。民意がこういう形で出てくることも、見逃さないで報道するという、ジャーナリズムのセンスを喪失しているのが最近のマスコミと言わざるを得ません。


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