半量レストラン | 回廊を行く――重複障害者の生活と意見

半量レストラン

 小児結核の時に横隔膜が上がって肺と胃の入っているスペースが狭くなり、胃が大きくなると肺が圧迫されるのか、以前から食事後しばらくは苦しくて動けなかった。それが呼吸障害となってますますひどくなり、外ではあまり食べられない。食べても軽食程度である。家だと自由なペース、自由な姿勢で食べられるから何とかなるし、食べることに興味がないわけではないので、家人が気の毒がって何かおいしいものを買ってこようかというのだが、いざ何かというと、具体的なイメージがわきにくい。

 それに人間の天邪鬼な心理というやつで、これだと思って買ってきてもらっても、予想通りの味ではないこともある。これはお持ち帰りタイプの料理のときもそうだが、家で食べるのが本筋の菓子類でもその傾向がある。やはり味を享受するには何らかの無駄があるとよいのではないだろうか。適度な運動の後で腹をすかせて、というのも条件の一つだが、いろいろなところへ行って食べて、まずいものも多い中に美味を発見するという過程が必要なようである。

 これでは引きこもっていたのではいつまでたってもおいしいものは食べられないことになるので、暖かくなれば出かけたいのだが、ちゃんとしたものを食べた場合にどうしても食べきれずに残すというのが気分がよくない。これは化石世代の習癖かもしないが、残すという行為が生理的にいやなのはわかると思う。

 そこでタイトルにあるような、メニューの料理を半量出してくれるというレストランがあればいいなと考えた。早速「半量 レストラン」で検索すると、ほとんどがレシピとしての「半量」、たとえば卵を半量とか砂糖を半量だった中に、とりあえず東京で3軒は「半量」を提供してくれるところが見つかった。そば、イタリアン、懐石と、うまい具合にバラエティがあるので、いずれ試そうかと思う。そばの場合は「どのメニューでも」とあったし、距離的にも近いところなので楽しみである。イタリアンでは半量を出してくれるのはスパゲティのみのようで、1000円が800円になるというのは少々高いようだが、サラダ等他のものはそのままと考えると妥当かもしれない。ただしこれは古いデータの可能性もあるが。そばと懐石の場合は割引があるかどうかは不明である。

 このようなところを、私とは違う身体状況、たとえば胃を全摘、半摘した方などや、高齢で食は細くなったがおいしいものは食べたい方などが探しているのではないだろうか。こう考えると需要がありそうである。しかし、前も書いたが高齢化社会の到来ということは声高に言われているのに、一方で高齢者のニーズを満たそうというサービスはなかなか現れない。ここにビジネス・チャンスがあるんだよということは、誰かお行儀の悪い企業家が現れて派手にやってくれるまで、誰にも気づかれないのだろうか。


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