でお伝えしたとおり,ソニー?コンピュータエンタテインメント(以下,SCE)は,PlayStationプラットフォーム向けゲームエンジンの最新版「PhyreEngine 3.0」を発表した。すでにβ版のダウンロード提供が始まっており,rmt,完全版は4月のリリース予定だ。  PhyreEngineは,Sony Computer Entertainment Europe(以下,SCEE)が制作しているゲームエンジンである。なにかとプログラム制作の難しさが指摘されることの多いPlayStation 3(以下,PS3)のSPU(Synergistic Processing Unit)周りなど,並列化が必要な部分が最初から作り込んであり,手軽にPS3の性能を引き出せるのが特徴だ。PS3やPSPだけでなく,“ソニー製なのに”PCにも対応するマルチプラットフォーム仕様になっているという,変わったエンジンでもある。  国内タイトルだと,「」「」「」などがPhyreEngineベースで作られているとのことなので,名称がどこまで一般的かはともかく,エンジンとしては比較的お馴染みといっていいのではなかろうか。 NGP向けタイトルの開発で注意すべき点とPhyreEngine 3.0の実装  発表されているとおり,PhyreEngine 3.0は,開発コードネーム「Next Generation Portable」(以下,NGP)こと次世代PSPに対応しており,現地時間3月3日に開催されたPhyreEngine 3.0の解説セッションでは,後半を使って,NGPに向けた開発の話があった。  講演の前半はPhyreEngine 3.0の新機能や変更点に関する話だったが,やはり気になるのはNGPということで,今回は後半から先に紹介してみたい。  というわけで,セッションではまず,NGPの概要が下のスライドに示したとおり紹介された。なにぶんタイルベースのアーキテクチャであるから,一般的なGPUとは考え方を変えなければならない点についての注意がなされている。  ちょっと見慣れない「Tile-based Deferred Renderer」(タイルベース遅延レンダラー,以下 TBDR)というのは,PowerVR系グラフィックスコアが持つ特徴のようなもの。イマドキのゲームタイトルでよく使われている「Deferred Rendering」(複雑な光源のシーンなどで,さまざまに使われることになるデータを,前処理でまとめておく最適化技法)のようなことを,ドラゴンクエスト10 RMT,すべてのシーンで当たり前のように処理することが要求されるので,この点は抑えておきたい
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