シルク・ドゥ・ソレイユアーティスト カプリオールにインタビュー!
世界大会で2度連続の優勝経験を持ち、2009年には日本人初のダブルダッチギネス記録保持者に認定されるなど、海外を股にかけて活躍するダブルダッチチーム、カプリオール。
現在はシルク・ドゥ・ソレイユアーティストとしてメキシコ公演とワールドツアーに分かれて出演中の彼らに、これまでの軌跡やダブルダッチシーンについて語ってもらった。
インタビュアー:まずはシルク・ドゥ・ソレイユに出演されることになった経緯を聞かせてください。
NOBU:2011年の10月にオーディションを受けました。
かなり狭き門ではありましたが、このチャンスを自分たちで掴もう!ということで受けて、合格することができました。
その後2012年の5月からカナダのケベック州の方で3ヶ月半の期間のショーが決まって、そこで初めて出演させてもらいました。
インタビュアー:狭き門を突破するためには何が一番大事だと思いますか?
NOBU:僕は情熱だと思いますね。
出たいという気持ち。
オーディションに受かってからショーに出られるまでも簡単では無くて、受かってからアーティストバンクというものに登録されて、そこから舞台で求められている人材に割り振りがされるんです。
僕はオーディション後、キャスティングの人に毎週のように自分たちの動画を送り続けました。2〜3ヶ月くらい続けたかな。
インタビュアー:そういった自らアピールをしていくことも大事なんですね。
NOBU:そうですね。
自分たちの存在を忘れないでもらうために、しつこいくらいやっていた方がいいかなと思って。
それができたのはやっぱり情熱かなと思います。
インタビュアー:シルク・ドゥ・ソレイユの現場を経験してみて感じた大きな違いは?
NOBU:もちろんステージの規模とかもありますが、周りのスタッフたちの気遣いですかね。
外国の方と仕事をする機会が何度かあったんですが、その気遣いと指導方法が日本とは全く違うなと感じました。
どんな時でも気に掛けてくれるんですよね。
僕らがショーでどんなにミスをしても「よかったよ。人間なんだから失敗することだってある」って言ってくれたり。
インタビュアー:そういったケアもとても大事ですね。
技術や表現においてはどうですか?
NOBU:技術の面では今まで培ってきたものがあるので、それまで以上のトレーニングをすれば出せると思うんです。
でも表現力においては僕自身は全然ダメで、メンバーにいろいろ聞きながら学ぶようにしてましたね。
KAI:僕はメキシコには行ってないんですが、その前のシルクは上がり下がりがすごく激しいショーで、その中で気迫を出して、トーンに合わせてキャラになりきるというのを常に考えてやっていました。
世界のトップが集まる環境で、ひたすら周りを見て学ばせてもらった感じですね。
インタビュアー:舞台に立つにあたって意識していることはありますか?
MON:人間なので多少の浮き沈みはあるんですが、意識の向け方は自分の100%を出すって決めて常に臨んでいます。
それと契約が長期なので、自分の体をちゃんと良い状態でキープするというのも大事にしていますね。
長く続けられるように。
MASA:毎週5日間ショーがあるので、観に来るお客さんはほぼ初めての人ばかりなんですよ。
みなさん非日常を求めに来てくれていると思うので、その方たちにもっとプラスの何かを与えられるんじゃないか、そのプラスを最高まで引き出してやろうという気持ちで臨んでます。
YABI:僕はシルクに初めて立った時の緊張感とエナジーを忘れないように心掛けてます。
やっぱりずっと同じショーをやっていくと慣れが出てきてしまうので、いつもショーが始まる前に、初めの頃の気持ちを思い出すようにしてます。
インタビュアー:ではカプリオールとしての魅せ方、こだわりとは?
NOBU:ショッピングモールやお祭りなどでパフォーマンスする際、30分のショーというのが僕らのワンパッケージになっているんですが、その間ずっとショーをやるやるわけではなくて、お客さんを盛り上げたり、メンバーの個性を知ってもらったりする場だと思っているんです。
そこでお客さんとの距離をどんどん近づけることができるのがこのメンバーであり、僕らの一番の強みだと思っています。
YABI:ミスはほとんどしないというのも、僕らの強みのひとつです。
うちのチームはミスに対しての徹底分析をやっているので、どうしたらミスをしないか、もしミスをしたとしてもどうやったら早く対処できるかといったことをトレーニングしているんです。
世界的にも一番ミスの少ないチームだと僕たちは思っています。
インタビュアー:それはすごいですね!
今でこそダンスシーンが盛り上がってダンスを職業とする人が増えましたが、ダブルダッチのシーンはどんな感じなのでしょうか?
NOBU:昔はお祭りへの出演から始まって、小学校や文化祭で披露するくらいでした。それが今ではすごく広がりましたね。
何よりダブルダッチを知ってもらえたことが一番大きいです。
10年前とは大違いですね。
世界的には確実に広まっていると思いますし、僕たちがこうしてショーに立ち続けることが、ダブルダッチを広める近道でもあると思っています。
KAI:先輩方がいろいろと築いてきてくれたので、それを自分は日本に残ってどう広げていくかというのが課題ですからね。
ストリートの狭い世界からさらに次のレベルへ進める役割かなと思っています。
インタビュアー:最後に、プロのパフォーマーとして活躍するためのアドバイスをいただけますか?
NOBU:やっぱり情熱をもって行動すればおのずと道は開けると思います。
KAI:その競技をとことん楽しんで、自分のやっていることに誇りをもって突き詰めていくことが大事だと思います。
MON:切磋琢磨しながら、時には仲間を頼って、サポートしてもらうことも大事なことだと思いますね。
MASA:自分のやりたいことに正解も不正解もないと思っているので、どんどん挑戦して突き進んでもらえたらと思います。
YABI:僕はパフォーマンスバカなんですけど”バカであれ”っていうことですね。
※インタビュー当日メンバーのTERUさんは欠席でした。
カプリオール公式HP:http://www.capliore.com/
(ライター:YU KONISHO、PHOTOGRAPHY:RIKIMARU SHIRAI)