ROCK STEADY CREWのメンバーであり、日本のストリートダンスシーンの超重要人物であるMASAMI氏と、最近加入した次世代メンバーYOU TEEも交えたインタビュー。クルーやダンスに対する真摯な思いを聞くことができた。

 

インタビュアー:MASAMIさんは日本人としては初のRSCメンバーとなったわけですが、MR.Wigglesさんは同クルーの一員としてどのような思いでいますか?

 

MR.Wiggles:”日本人初”ということに目を向けたことは無くて、みんなが対等であってこそのクルーだから、MASAMIはRSCのメンバー、それだけのことだよ。

そしてMASAMIがクルーに持ってきてくれた日本独自のカルチャーもたくさんあるんだ。

例えば忍耐強いことや、いろんなスタイルを一つずつしっかり学ぶこと、無駄な質問をしない、不満を言わない、最初に来て最後に帰ること、勤勉なところとかね。

そういう部分は日本独自というか長けている文化だと思うんだ。

もちろん良いダンサーであることは前提で。

MASAMIみたいな素晴らしいOGがいるからこそ、日本のHIPHOPシーンのレベルが高いのだろうと思うね。

日本人ダンサーの良い部分をMASAMIを通してクルーで学ぶことができたよ。

 

インタビュアー:MASAMIさんは92年にメンバーとして加入されていますが、当時はそんな風に見られているなんて思わないですよね。

 

MASAMI:思ってないですね。何しろ一緒に練習ができる、教えてもらえるってことだけで幸せでしたから。同じ空間でダンスできるだけで嬉しかったんです。

 

インタビュアー:そして YOU TEE さんが新たにRSCのメンバーとして加入されたわけですが、どういった経緯があったのですか?

 

YOU TEE :まず自分が出たコンテストのジャッジがMASAMIさんで、優勝したらNYのRSCのアニバーサリーイベントに出られるっていう権利があったんです。

それで優勝してNYに連れて行ってもらった時にメンバーの方々にダンスを見てもらえて、「きみはファミリーだよ」って言われたんです。

それからの4年間でいろいろ勉強を積んで、4年後の2012年に「WE ROCK!」というイベントで踊らせてもらった時に、メンバーとして認めてもらえました。

 

インタビュアー:彼をメンバーとして迎え入れた時のことは覚えていますか?どんな印象でしたか?

 

MR.Wiggles:YOU TEE はパーフェクトな生徒であり、MASAMIのような日本人らしい良い部分を継承していて、それを基に素晴らしいダンサーになっていったというのがわかったんだ。

吸収が早いから教えるのもすごく簡単だよ。

 

インタビュアー:そして YOUT TEE さんのお兄さんである KENNY SPLIF さんも、RSCファミリーですよね。

 

KENNY SPLIF:はい。僕自身もダンサーとして活動しているんですけど、RSCやMASAMIさんを通してHIPHOPカルチャーについてさらに興味を持ちました。

ダンサーとしてのスキルが認められてファミリーになる人もいれば、僕みたいにメンバーの家族としてファミリーになるケースもあります。

 

MASAMI:私にとっても彼はファミリーであり、心強い存在です。

何か感じるものがあったり、同じ信念を持った同志という意味で。

 

インタビュアー:YOU TEE さんから同世代のダンサーへ、伝えたいことはありますか?

 

YOU TEE :もっとリアルなものを勉強してほしいと思います。

Wiggles などのワークショップに積極的に参加したりして、もっとダンスを楽しんでもらえたらと思いますね。

 

インタビュアー:やはりコンテストやバトルなどの会場へ足を運んで、自ら挑んでいく姿勢というのもキープし続けた方が良いのでしょうか?

 

MASAMI:私はそれが一番大切だと思います。

イベントやコンテスト、ワークショップなどいろいろな場がありますが、そこに挑んでいくのはなかなか難しく、勇気がいることだと思うんです。

だけどそこを一歩踏み出すということが大切なことだと思います。

私の好きな言葉は「NEVER GIVE UP」ですから。

そういった意味でも殻を破って諦めずに挑戦してほしいですね。

 

インタビュアー:MASAMIさんが今まで日本のシーンを見てきて感じること、そして今後のシーンについてどのように考えているか、お聞かせください。

 

MASAMI:今の流れで良いと思います。ダンス人口も増えていますし。

ただ、Wiggles も言っていたように、もっと練習して、CMやテレビだけを見て「いいな」って思うのではなく、もっとちゃんと知って学んでほしいなと思います。

私自身もまだまだ勉強したいと思っていますし。

みんなが同じような気持ちで、シーンを築いてきてくれた方たちへのリスペクトを忘れずに知っていくことが何より大切なことだと思います。

 

(ライター:YU KONISHO)