世界最大のHIPHOPクルーとも言われるROCK STEADY CREWのメンバーであり、HIPHOPそのものを体現するストリートダンサーMR.Wiggles。
そのインタビュー記事のpart2です。
まだpart1を見ていない方は是非part1も見てみて下さい。
「1番のゴールは学び続けて成長し続ける事」- MR.Wigglesへインタビュー - part1
→http://ameblo.jp/jsda/entry-12229175305.html
インタビュアー:日本のストリートダンス市場はまだまだ小さいのですが、今後このシーンをさらに拡大していくためにはどんな課題があると思われますか?
MR.Wiggles:まず第一に、お金のために踊るという発想でいたら相当遅れているね。なぜ踊るかといったら音楽を愛する気持ちだけだ。プロフェッショナルになる前に、自分のやっていることにしっかり磨きをかけないといけない。
今のダンサーは1年くらいトレーニングをしたら、すぐに「じゃあ次はMVの仕事」っていう考えの人が多いようだけど、自分のダンスに対してしっかり勉強しなくてはいけないし、基本を1つひとつこなしていく事が大事なんだ。
最低でも5年くらいのトレーニング期間は必要だと思う。
充分に自分の芸術を磨いて、物事やビジネスが自分に入ってくるのを自然な流れに任せた方がいい。
自分のダンスをしっかり磨いた上で誰かがあなたを求めてくれたら、それがれっきとしたアーティストであると思うんだ。
常にビジネスを追いかけている側である限り、遅れをとっているんだよ。
ストリートダンサーとしての概念にあるのが、常にハングリー精神でいること、そして自分以上のものを求めないということ。
今あるものでどれだけ充分かということを、時に確かめないといけないと思うんだ。
インタビュアー:そういった信念というのはストリートダンスを始めた当初からずっと変わらずにあることですか?
MR.Wiggles:ビジネス、芸能の世界を入ったり抜けたりということを何年もやってきた結果、芸能の世界ではない自分らしい居場所の方が、やっぱり心地良いということに辿り着いたんだ。
時にはビジネスとしてダンスをする時よりもストリートの方が稼げることもあるしね。
そもそもは、ただ自分たちがハマったカルチャーをやっていただけで、誰もそのHIPHOPがここまで世界的に広まるとは思っていなかった。
だから単純にHIPHOPが好きでやってきた者としては、すごいことが起きているぞ!という感覚なんだ。
インタビュアー:現在はROCK STEADY CREWのほかにZulu Nation、ELECTRIC BOOGALOOSという3つのクルーに所属されているんですよね。
MR.Wiggles:グラフィティクルーのTC5もね。RSCやZulu Nation以前から入っているクルーなんだ。ほとんどのBBOY、BGIRLやDJ、MCの人たちは、もともとグラフィティアーティストだった人が多いんだよ。
インタビュアー:ご自身もグラフィティとダンスに限らずHIPHOPの4大要素といわれるすべてをやってこられたんですよね。今の日本のストリートダンサーは、ダンスしかやっていない人が大多数だと思われます。
MR.Wiggles:個人的には「HIPHOPダンス」なんていうのは聞いたことがない。
HIPHOPはカルチャーだからね。
HIPHOPはブロンクスのゲトーから発生して、みんな全部(4大要素)をやっていたし、それが自然なことだった。
それ自体をHIPHOPと呼んだんだよ。
だけどブロンクスから外に出た時に、それぞれ1つの要素に重きを置くという現象が起きたんだ。
インタビュアー:なるほど。日本で本来のHIPHOPを体現されてきた代表的な方でいえば、CRAZY-Aさんがいらっしゃいますが、世代がどんどん変わるにつれて、そういったことがなかなか継承されなくなってしまったのかなと思います。
MR.Wiggles:確かに日本の第一世代の人たちはリアルだったね。
「HIPHOPダンス」なんて言う人は誰もいなかったし、そんな言葉が世の中に浸透してきたあたりから違和感を感じるようになったんだ。
自分にとってはHIPHOP文化へのリスペクトが必要だからね。
だからダンスをひとつ挙げて「HIPHOP」だと言う日本のシーンは不思議な感じがするよ。
インタビュアー:そういった現状を改善していくためには何が必要でしょうか?
MR.Wiggles:日本でHIPHOPカルチャーを広めてくれたOGの方たちへのリスペクトがあったらいいんじゃないかな。
MCしたりDJしたりブレイキンしたり・・・まずそれをやる前にHIPHOPがどこで誕生して、父親的存在は誰なのか、どういう文化なのか。
そういったことを勉強してからの方が芸術に触れられるんじゃないかと思うね。
HIPHOPはライフスタイルだから。
ダンスじゃないんだよ。
カルチャーとしての中身をしっかり尊重することが大事だね。
インタビュアー:そうですよね。日本ではHIPHOPカルチャーにしっかりと触れることのできるイベントが少ないように感じます。本場アメリカではどうなんでしょうか?
MR.Wiggles:オリジナルの方法でいうと、公園で無料のパーティを開催するというのがあるんだ。
無料で誰でも見られるっていうのがポイントだね。
ブロンクスでも毎週のようにフリーのイベントがあるよ。
アメリカでは常に色んなパーティが行われているんだ。
日本でもそういう環境を増やしていくことによってHIPHOPに興味を持つ人が増えていくだろうし、文化としても広まっていくだろうね。
part3へ続く
(ライター:YU KONISHO)

