東京江東区23歳の女性不明事件に想う 2
その2 失踪?事件?
■独身女性の2人住まいのマンション。友人と一緒に外泊していた妹がマンションに帰ってきたら、姉の姿が無かった…
パソコンの電源は入ったまま…室内の電気はついたまま…室内には争った形跡はない…近隣の住民に聞き込みをするも深夜時間帯で就寝していることもあってか悲鳴等を聞いていないという…
■妹が両親へ連絡し、家族から警察へ捜索願い(通常の家出人手配)が出された。最初は『恋人と駆け落ち?いや恋人が殺人?』と事件か事故か…警察幹部内でも意見が別れた。
■決定付けられたのが、『刑事の執念の聞き込み』と『鑑識捜査』であった。
■刑事は、マンション住民、1人1人、大人・子供関係なく全て聞き込みを行った。住民には【犯人扱い?】と嫌がられたこともあった。しかし、同じ階に住んでいる老夫婦が【そう言えば夜中に夫婦喧嘩?のような声が聞こえたけど…】ベテラン刑 事の執念であった。【絶対に事件に巻き込まれている。犯人は絶対に居る。姿なき事件などはこの世に存在しない。】
■捜査会議で発表された。【悲鳴ともとれる夫婦喧嘩?と思われる声を近隣住民が聞いている。】
■鑑識は、女性マンションの出入口の指紋・足跡・毛髪・皮脂…ありとあらゆる鑑識可能な出来るもの全てを収集した。数百点に及ぶ資料だった。【玄関に(靴を置いている場所)真新しい足跡がかすかに残っています。この足跡は大きさからして女性の足跡ではない…】
その3 捜査本部設置
■女性が行方不明になったマンションを管轄する警察署の会議室…。外から見えない『遮 光カーテン』が張り巡らされた。マスコミに捜査情報が漏れない様、秘匿で捜査をするためである。総勢100名余りの捜査員が会議室に集まった。管轄する警察署だけでは刑事が不足している為、隣接する警察署からも応援要請で刑事達が集まってきた。
■【女性の失踪事案である。事件・事故両方で検討していたが、殺人事件と考え本格捜査を開始する。】捜査本部長からの開口一番の言葉だった。聞き込みを行っていた地取り捜査班の刑事の班長からの聞き込み結果が発表される。鑑識からも発表される。
■地取り捜査班の刑事【30の全世帯の内、聞き込みが終了したのは約半数です。】捜査本部長【半数?あとどれくらいで終了するんだ?聞き込みは全員に行え!老人から子供、話が出来る人達からは全て聞き出せ。コンビニ、駅、百貨店、高速道路 からのビデオ回収はどうなっている!】
■鑑識班長【女性宅からの鑑識活動はほぼ終了しました。】捜査本部長【遺留指紋・遺留足跡(現場に残っていた指紋・足跡)はどれくらいある?マンション全世帯から協力してもらい足跡・指紋を採取すること。3日以内に全員のを採取すること】
■捜査会議が行われている間も会議に出席していない刑事達が行方不明になった家族への聞き込みや関係者への聞き込みを行っていた。
会議室に緊張が走った。捜査会議は連日深夜まで続いた。
その4 容疑者は?捜査難航…
■近隣住民が聞いていた『夫婦喧嘩?と思われる声』…これに焦点が絞られてきた。夫婦喧嘩の声であれば交際相手が容疑者ではないのか?
■【交際相手の恋人の洗い出しはどうなっている?日々の素行、金銭トラブルがなかったか?消費者金融からの借金は?その他の交際関係は?】ありとあらゆる可能性を考え、容疑者関係者を絞り込んでいった。
■連日、交際相手からの事情聴取、女性が失踪した時間の行動等を聴取しアリバイの裏付けを行っていく。その結果…交際相手は捜査線上から外れた…。【いったい誰が犯人なんだ。妹?両親?親戚?】【未解決事件になる?嫌、事件に巻き込まれたのではなく消息を消す為の偽装?】出口が見えない…。連日深夜までの捜査で刑事達にも疲労が見えはじめた。
■消息不明になった女性の妹や両親は、憔悴しきっていた。被害関係者の担当をしていた女性刑事も、もう何をどう声をかけてあげれば良いのか判らない。1日の内ほとんど無言の重苦しい時間が続いた。女性刑事は就職活動中の妹と一緒に就職活動の場所も同行し始めた。姉妹は遠く離れた両親と別居暮らしをしだし半年経った時期で、何をするにも姉妹一緒であったのに…急に消息不明になったら…食事も ろくに取らない妹の気持ちを少しでも和らげたい。この様な精神状態の時は妹さんは、最悪自殺も考えているかもしれない…
元県警刑事のプロ集団
JSD日本総合探偵社 代表取締役 大久保秀幸
解決の参考になります。