長女の話を聞き
迷わず離婚を切り出した。
電話は出ないからLINEで。
LINEで話すような内容ではない。
わかってる。
返信がなかったけど
有無を言わさず
彼の荷物を全部まとめた。
お腹には新しい命。
この先のことなんて不安しかなかった。
一刻も早く縁を切りたい。
ただそれだけ。
彼の荷物を整理していると
押し入れの中から
某金融会社の借用書。
彼の名前が書いてあった。
なんだか色々やらかされすぎて
感情が無かった。
あっそ。て感じだった。
もう二度と目の前に現れないでほしい。と。
大人になってこんなに人を
嫌う事があるだろうか。
まだ返信がないが
母には離婚するからと全部説明した。
すると母が切り出した。
実はね…
ここに500円玉の貯金箱を置いてたんだけど。
と。
リビングにあるパソコンデスクの
上の棚を指差した。
それだけで私は察してしまった。
お金が半分以上減ってるの。と。
子供じゃ絶対届かないし
よじ登ったところで
間違いなく怪我をする場所。
そもそもそんなところ登らない。
わたしはそこに貯金箱があることは知っていたが
人のお金には興味がない。
彼しか居ない。
色々物色してたと考えると
鳥肌がたった。
すぐ鍵変えよう!と私は言った。
返信はない。
もう、知らない。
いらない。
母には全部説明したけど
言えなかったことがある。
妊娠をしていること。
絶対心配するから
どうしても言えなかった。