10分ほどもあれば
1人で全部片付けられそうなほどの
質素なお葬式。
長男はずっとぐずっていたため
たかが外であやしてくれていた。
火葬場で、妹さん家族、彼女さんと食事をした。
遠くから来てもらっているから
少し豪華なメニューを選んだ。
妹さんは食欲がないのだろうか。
あまり食べない。
あれ?食べないの?と
妹さんの旦那が声をかける。
うん。だってこれ嫌い。
は?
お口に合わなかったのは申し訳ないが。
それわたしの前で言うこと??
お金も本当なら出すのが普通なんだけど、
大学の学費と仕送りでお金が無くてとも言われた。
よくわからない。
喪主だしそこまで求めてなかったけど。
いらん喧嘩売られてる?
お金がない?
あるから大学行かせてんだろ?
やめよう。
これでよかったんだ。
やめよう。
しばらくすると、
火葬が終わったので確認をして頂きたいのですが一緒によろしいですか?
と声をかけられた。
はい。わかりました。
子供たちをお願いし、
火葬が終わった父親のところへ向かう。
骨だけになった父親。
言葉が出なかった。
ただただ涙が止まらなかった。
さっきまでは居たよ?
なんで…。
本当に死んじゃったの?
わたしには酷だった。
まだ生きてるなんて思ってたわけじゃない。
本当に本当に届かないところへ行ってしまったんだという現実が受け入れられなかった。
支えてもらわないと歩けなかった。