「インターアクトクラブで、若い僕らが、
  国際社会において、何が出来るのか みんなと考えています」
 と熱く語る青年がいた。

 マンガで見るような キラキラした目で、周囲に話していた。
 みんなが、彼に注目するなか、
僕はなんとなく、その青年を直視出来ないでいた。

 その青年は、高校生のN君である。新受入生のホストブラザーである。
N君の家は、昨年度も夏組年間生のホストファミリーを臨時で受けていただき、
それに刺激されてか、N君は突然、留学を志すようになった。
 そして、AFSで試験を受け、今年の秋、派遣が決まった。
 今年度、年間留学生としては、春組1、秋組1受けることになっている。
そして、3月より、春組生 マッツ君が来岡し、新見市のN家にて
ホームステイしている。ノルウェーから来た。
 今回は、支部総会とともに、新留学生の歓迎会である。今回は、
少人数でなごやかに、ということで、岡山名勝 東湖園の和室で、
こじんまりと 行った。“ワイワイ”より“語らい”を重視した。
 東湖園は歴史がありながら、隠れた名勝で、観光客も少なく、こうした
イベントでは、のんびり出来、またじっくり話しが出来るから良い。
 
 注目は、マッツ君とN君とのコンビネーションの良さである。まるで、
知り合ってから1年くらいたつのではないか、というくらいの仲の良さである。
少人数で囲むように話しをしているから、余計に目立つ。もはや漫才コンビだ。
 N君が授業・部活を抱えながらも、独学で英会話を勉強し、その英会話で
平生から学校の留学生と話しをし、そしてマッツ君と会話しているのだ。
留学したてでまだ語学に自信がないマッツ君にとっては、歳が近く、言葉が
わかるホストブラザーの存在は、支えになる。もちろん、頼ってばかりでは
良くないが、そういうときがあっても良い。
 会には新規派遣予定生の高校生も数人参加しており、高校生メンバーで
マッツ君を囲んで盛り上がっていた。
 そんななか、食事をしながら みんなと会話しているとき、N君の部活の話し
があがってきた。N君は、バスケもしながら、インターアクトクラブでも活動を
している。インターアクトクラブは、主にボランティア活動を行い、国際的な
活動も行っている。ロータリークラブとの交流もある。
 インターアクトクラブについて知らない参加者などに、N君は熱心に説明を
はじめる。N君の目は、本当に輝いていた。他の話しをしていた人たちも
次第に会話をやめ、N君の話しに聞き耳をたてた。東湖園の和室に、N君の
情熱が広がったことを感じた。
 でも僕は、N君の目をみれないでいた。あまりにキラキラした目をみれないでいた。
 三十路を目の前にした僕の目に、光がないことを逆に指摘されているようで。
 大人になった僕は、本職に忙殺され、ジェットコースターにのっているように
駆け抜ける日々を過ごしながら、目に光を失っていた。でも、社会にいると、
そんなこと 気にしないでいた。
 でも、熱い青年のキラキラした目に触れて、改めて、自分の目から光が失われて
いることを感じた。なんだか、恥ずかしさすら感じてしまう。
 
 僕は、顔をあげる。
 そして、N君をみながら、僕は思う。
 僕も高校生のころ、あんなに、熱かったのかな。
  そういえば、そんな時期があった気もする。
  その情熱は、まだ僕の中に 残っている。
 だから、N君の情熱に なんか 感じるものがあるのだと思う。
  30歳・・・・まだまだ若い。

 僕も、また 熱い目になれるのかな。光を取り戻せるのかな。
  いや、そうしたい。


 総会や懇親会が終わった後、ホストファミリーとスタッフ組と、留学生と
若手スタッフ組で分かれて、行動した。もうすぐ三十路になる僕は、恐縮ながら、
若手組とともにした。最初の打ち合わせでは、東湖園の池のまわりをまわる予定
だったが、僕の思いつきで、奥の茶室で 抹茶を頂戴することになった。
 さっきまで ちょっと熱くなろうとしていたが、
 やっぱり大人になってしまった僕は、伝統ある和室で抹茶をもらうと
          だら~ん となってしまった。

ああ、結局、今回 マッツ君についての話が少なかった・・・


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会の後、僕は倉敷美観地区で抹茶を頂戴していた。
 和菓子を口にしながら、一日 いや 前の晩からのことを振り返っていた。
 だいたい、倉敷美観地区にくることも久しぶりだった。
 
 昨日の晩から、僕の前で ずっと嵐が吹いているようだった。  
 嵐の中で 僕は格闘するようにいた。

 ここのところ、本職の仕事で忙しくしており、少しずつは
進めていくことができていたのだけど、なかなか仕上げられないでいた。
こういうギリギリの日に限って、大きな仕事の案件がくるもので、
前日は残業になり・・・・解放されてから、毎週している取引先との食事

それから晩に戻って、支部総会資料づくりにとりかかった。
 で、またハプニングで、留学説明会には関西から学生がくる
予定で、そのつもりで段取りしていたのだが、急遽 難しくなり、
段取りを組み替えることに。学生ボランティアに連絡して、
再調整と 僕自身も資料を見直して

総会資料は、支部規約改正案はできていたが、年度総括や計画表なんて白紙 
 それで迎えた晩10時の音・・・
コーヒーがぶ飲みし、キーボードをたたきまくった。
 仕上がったときには、午前2時過ぎ・・・
 
 

それで迎える 翌朝 7時 いや~眠い限りだ。
 もたもたしれいられない、準備して いかないと

いやいや、 あれ、  ・・・眼鏡がない。。。
 夜中にぽーんと 無意識にどこかに置いたものだから、ちょっと探しただけでは
わからない。部屋のいたるところを探す―― はあ、意外なところから出てきたが、
これで30分近くを失った・・・早く行って準備するつもりだったのに、
こんなときに限って、空回りしていくから 情けなくなってくる。

さあ、気を取り直して、会場へ向かうぞ!

 はじめて入る芸文館 そんな感動もなく、とにかく荷物や資料を並べると
会場準備をしてくれているスタッフのみんなに申し訳なく思いながら、
朝食を食べてない僕は とりあえず コンビニへ走った。
 ゼリー朝食を流し込んで、気合を入れて、スーツを整え、
 さあ、改めて 会場へ。

会場には、続々と人が集まっていた。
 仕事との調整がつかず 出迎えにも行っていないので、
今年度春年間生に会うのも 今回がはじめてだった。
タイからきたプロイ ブラジルからのガブリエルである。
話は担当者から聞いているが、実際に会うのははじめてだ。
2年連続で大阪で受入生の選考にかかわってきたが、
今年は、資料だけみて、だいたいの目星だけつけて 
後はLPにお任せしていたので、今年からはじめて、別の方が
選考した生徒さんがきた。
 学校の先生や いろいろな関係者の方が参加してくださった。
 支部総会といっていっても、仕事や用事で 

参加できない支部員や関係者の方も
おられたのだが、それはしょうがない。

 頭はまだ疲労感が残っているのだが、体は興奮していた。
  抑え切れないほどの興奮が 体を支えていた。

僕は少し息を吐く。
 
 そして、支部総会の第一声をあげた。
 
 支部総会では昨年度を写真で振り返ったり、今年度の留学生紹介などで
笑いが いくつも起こる場面があった。
 きちんとしたことは伝わったのだろうか・・・

昼食の時間に移り、各所で歓談の場が花咲いた。
 僕もはじめて話しをする方、久しぶりに話しをする方など
おられて、楽しい昼食の時間をすごした。

 そんな楽しい時間も中盤になると
 “そろそろ留学説明会だな”と頭をよぎった
 僕は資料をもう一度見直し、ばたばたしながら、
留学説明会会場へ向かった。

 今回、留学説明会は日本協会から1回はして欲しいという
ノルマ要求があって、開いたのだが、
するからには きちんとしたい、と思い、
県内の いろいろな高校に とにかくFAXを
おかげで、今まで付き合いもなく、国際交流とかとは
あまりつながりがなさそうな学校から参加者があらわれた
 申し込みがあったとき、本当に嬉しく思ったことは忘れない。

また、昨年度・今年度のホストスクールや支部員の知り合いの知り合いなど
参加してくれた。
 そして、これから海外へ向かう派遣予定生も交えて、
留学説明会をはじめた。

 正直・・・段取りを前日に組み替えたものだから、
 また、僕が今まで受入対応をメインにしていたものだから、
   ちょっと緊張していた。


それを表に出さず、口八丁で 学生ボランティアと進めた。
 
 帰国生からは 派遣国で 満喫した写真を
 まわして 爆笑が起こるなか、楽しく説明会が進んだ。
 
 僕はとにかく、これは「留学」ではなく、
    「異文化体験」であることを繰り返した。

参加してくださった皆様が、本当に 興味をもって
 清聴してくださったので、心から嬉しく思った。
 
 会を終えると、隣でオリエンテーションをしていたグループとも
合流して、
僕ははじめてAFSのイベントに参加してもらえた方と
 いろいろな話しをして、盛り上がった。

ひと段落すると、年間生のところへいき、
 少し話しをした。
 今年度の子は二人とも、この時期からリラックスしていて、
明るく また ほど良くみんなと交流していた。

 
 僕はまだ美観地区にいた。
 去年は 後楽園だった。春オリエンの後後楽園にいき、またお別れ会も後楽園だった。
 後楽園にはじまり、後楽園で終わった昨年度だった。
 
 今年は、交通の便からいって倉敷を会場にすることが増えるだろう。
 これから、また美観地区が 鍵になるのではないだろうか

 それにしても、やっぱり、倉敷はいい・・。
 抹茶を飲みながら、疲労した体を休め、 
   深く深呼吸した。

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しょうがいない、大人になるといろいろあるのだ。

「二日酔い」を飛び越して、三日酔いだった。
 金曜朝から 豊橋の取引先にいき、全国会議の懇親会で
飲んで、二次会・三次会を過ごし、また次の日も
同じく会議で、昼から懇親会で飲んで、

岡山に夜9時に帰って
きたら、自分の会社の懇親会2次会に合流することになり、
街で3時まで アルコールが目の前にあった・・・。

 しょうがない、大人になると、いろいろあるのだ。

 今日のために、ペースはセーブしてきたのだが、
といって、営業マン――酒をすすめられれば断れない……。
 そんな状態で 走り回れるのだろうか。
   だいたい、酒が残っているのではないだろうか。
 しょうがない、大人になると、いろいろあるのだ。

 そんな しょうがない大人が、
  いろいろある大人が、大人ばっかりと
“けいどろ”をしようというのだから、ちょっと大ごとだ。


 はじまりは、同じ会社で その団体のスタッフの方からの
誘いだった。AFSおかやまも同じNPO会館で会議とかするので、
その方が何かしているのは、知っていた。
 そこで聞けば、「OOC 岡山おにごっこサークル」という
団体という。大人になっても、みんなで遊んで、交流をもとう
ということらしい。
 そこで、今回「第8回 岡山けいどろ大会」を開くということ
で「是非!」とポスター見せられながら誘いを受けた。
うちの支部で誰か・・・と聞いてもみたが、みんな忙しい・・・。
 しょうがない、大人になると いろいろあるのだ。
結局、この酔っ払いが1人いくことになる。
  。。。。。知らない人ばかりで ちょ~不安だった。


ところがどっこい、
 そんな気持ち・・・みんなの輪の中に入った途端、いっきに消えた。
 事実、みんな初対面だったのだが、
 ゲーム用のTシャツをきたら、みんなが仲間に思えた。
 本当に不思議な感触だった。

 集まったのは、だいたい同じ世代の男女 40人くらいだった(たまたまらしい)。
 けいさつ組と どろぼう組に分かれて、
 チームで戦う。前半と後半で 攻守交代で なかなか広い範囲で
おっかけやっこする。
 僕は どろぼう組になり、前半逃げ、後半捕まえることになった。
 同じ会社の人からは 普段 疲れている僕に、
「いっぱい走って、いっぱい笑いましょうね♪」と一言。
 “よっしゃ!”
 
 と言った僕が 一番につかまってしまった。
 牢屋から助ける用に 近くではっていたら、 見つかってしまった。
 見つからないからといって、ちょっと動くと ダメらしい。
 堪忍が必要だ。
  というか、捕まるかどうかのとき、本当に 久し振りに走った。
 
 普段どおり、車が行き交う街中で、
  買い物客や 観光客がいる 街中で、
 だいの大人が、必死こいて 走りあった。
  捕まって ちょっと悔しいけど、なんか・・・嬉しかった。楽しかった。
 けいさつ組の子と 笑いあった。
 
 こんなさわやかな感じ 確かに久しぶりだった。

 それは、捕まえる側になっても同じだった。
 他の仲間たちも、
 「いや~走った!」「やられた~」と口ぐちに
感想を言っていた。
 でも、みんな とにかく笑顔だった。

 いや、今日の昼に 会ったばかりだったのに、
 確かに、数時間前まで 顔すら知らなかった相手どうし
 同じ組の子たちとは、なんだか 親しくなっていた。
 男女なんてものも関係なくって、
 みんなひとつになっていた。
 
 正直、僕は ちょっと感動した。

 勝負は点数方式で、捕まる人がどれだけの点数をもっているか、
それをどれだけ集めれるかによる集計で決まるのだが、
これも工夫が凝らされていて、マイナス点をもっている人までいる。
だから、捕まえても、マイナス点をもっている人を捕まえたら、
不利になるのだ。
 とは言っても、自分が何点もっているかを ゲームの終わりまで
知らないことになっているのだから、実に面白い。
 
 けいどろで8回目、他のイベントを含めると15回くらいして、
いろいろな試行錯誤の結果で 生み出されたルールらしい。

 OOC代表の坂元だいちゃんは言う(僕の要約としては)。
 「いま、いろいろな事件が起こっている。
  でも
  こうして同じ世代、いろいろな世代の大人たちが
  親しくなることで、友達になっていくことで、
  そんな事件もなくなっていくのではないだろうか」


正直言うと、ここのとこ、ちょっと自信をなくしていた。
 AFSというステージで 僕がやっていることは、
 間違っていたのではないか、と。
  いや、やり方であって、方向は間違っていない、
とは思っていた。でも、その方向すら、
 ちょっと不安に思うようになっていった。

 でも今日 “はじめて”会った“仲間”と
 寒空の街中で 思いっきり走りあって、思いっきり笑いあって、
 なんだか・・・燃えてきた。

とはいえ、
 体は疲れている。
 しょうがない、大人になればいろいろあるのだ。
 そりゃ、出張帰りだもの。
 
 明日 ぜったい筋肉痛だな。
 (2日後にきたら悲しいけど)


※岡山おにごっこサークル
 onigokko_no1@yahoo.co.jp