
今回は、3.6MのANTを敢えて用意しなかったことと、WTで初めてロギングした事を除けば、準備万全で挑むことができた。コンディション的にはまあまあだったため、全力参戦の結果、幸運にもクレームドレベルで現在のJAレコード(2.9M点 2008年JS3CTQ)を大幅に上回ることができた。
しかしながらこれは5年間で当局の腕で向上したことが主たる要因ではなく、世界でRTTYスキマーが本格稼働したことがこの結果につながったと断定できる。WPX-RTTYは全てのSO部門で、クラスターの閲覧等、ネットからの情報利用が許可されているため、RTTYスキマーのおかげで本年から世界的にスコアが格段に向上したはずなので、高スコアだったからと言っても全く油断はできない。実際3830を見ると、30h制限のSOで信じられない様なQ数を上げた局が複数おり、世界的なスコアの向上はほぼ間違いない。
前にも書いたが、今回当局がWTでロギングしたのは、RTTYスキマーからの自動スポットを有効に利用するために1stラジオ用と2ndラジオ用の2つのバンドマップを同時に表示したかったからで、実際に、2つのバンドマップにはあふれんばかりのスポットが表示された。これを効率的に利用できたことで、画像のようなスコアが出せた訳だ。
しかし、MMTTY等の優れたソフトウェアの登場によってRTTYのコンテスト人口が爆発的に増えてしまった昨今、Running周波数の確保はますます困難になり、2ndラジオでS&Pに手こずっていると、すぐにRunning周波数を乗っ取られてしまうため、ある程度のレートが確保できている時間帯は、2ndラジオはコンディションの把握用途での使用に留め、1stラジオで局数を積み上げる事に徹したのは言うまでもない。
これは、もちろんマルチがバンド共通のWPXだからである。WPXでは効率の良くないバンドで時間を浪費するのは戦術的に避けなければいけない。この影響もあって、28Mはある程度オープンしているのに、21MからQSY UPする局が少なく、Q数は伸びなかった。東はW5 W9まで、西は一応z14の一部までできたので、バンド別マルチのルールだったら、もっと28MのQが伸びたはずだが致し方ない。かく言う当方も2ndラジオでのS&Pをメインにして、多くの時間を割かなかった。
また、LBは得点2倍なので、7Mと14Mが同時にオープンしていれば、当然7Mメインとなる。14Mの方が多少効率が良い状況でも、やはり得点2倍の7MでRunningするのは鉄則であり、その結果、上の画像のように14MのQは伸びていない。14Mと21Mは同じ得点なので、より効率の良いバンドが優先となるが、21Mの方が効率の良い時間の方が長かったことで、このような結果となった。
RTTYスキマーの本格稼働で、昨年以前とはすっかり様変わりしてしまったWPX-RTTYだが、ここはやはり時代の流れについていかなければならない。とは言うものの自局内でRTTYスキマーをまだ構築できておらず、今回はクラスターノードから情報をもらってきただけのため、見えないスポットが氾濫してしまったというデメリットがあった。もちろんフィルターを設定する手もあるが、今回のtest中に稼働していた東アジアでオープンのノードはJA4ZRK局だけだったのと、RTTYでは手動スポットはCWに比べて極端に少ないので、現状ではフィルターは実用的ではない。
これだけRTTYコンテスターが増えた今、10年前のように30hもやったら、あとは閑古鳥という状況ではなく、できればSOの運用時間をSSBやCWと同様の36hまで拡大して欲しいところだ。

余談
Test中にSV2FLQ/Aという局から呼ばれて、もしかしてアトス山かとかすかな期待を込めqrz.comで確認したところ、当然ながらアトス山ではなかった。紛らわしいコールを使わないで欲しいところだ。(誤パイルを期待して使っているのなら、S&Pすることは無いだろうから、使用意図がよく分からん) RTTY-DXCCの残りは12eだが、相手から呼ばれて減る事はおそらくもう無いだろう。