メシアの読書感想 荻原浩【コールドゲーム】 | メシアのモノローグ~集え!ワールド・ルネッサンスの光の使徒たち~
- コールドゲーム (新潮文庫)/荻原 浩
- ¥724
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- ここのところずぅぅぅぅぅっとハズレが続いていたのですが、たまに本作のような傑作に出会うことがあるところが読書のおもしろいところです(笑)
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ストーリーは、主人公の高校生の少年の周囲で不気味な事件が起きるところからはじまります。中学時代のクラスメートたちに奇妙なメールが届けられ、何者かに鎖骨を折られたり手を切られたりといった被害にあうのです。
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そして犯人は中学時代、クラス中でいじめをくわえていたトロ吉という少年らしいことを突き止めます。ここから恐るべき復讐鬼と化したトロ吉の影に、主人公をはじめとする少年少女たちが戦々恐々とする日々がはじまるのです。
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とにかく構成力が超絶。次から次へと新たな事件、新たな展開が待ち受けているので、飽きることなく読み進められます。最初から最後までトロ吉に脅え続ける登場人物たちの焦燥感・恐怖感が伝わってくる極上のホラー小説です。
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それでいて青春小説的な雰囲気もあり、意外なオチも用意されており、読みごたえありすぎの出色の1冊です。
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また、三人称にもかかわらず、主人公をはじめとする登場人物たちの心理がえもいわれぬほど上手に描かれており、まるで一人称の小説を読んでいるようでした。
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そして私がこの作品から学んだことは、【人間というのは限りなくおろかで、限りなく弱い、そしてそれこそが人間なのだ】ということです……。
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6段階評価(論外←いまいち←普通→いい→すごくいい→神)
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ストーリー━━すごくいい
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人物描写━━いい
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心理描写━━神
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風景描写━━すごくいい
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読みやすさ━━すごくいい
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構成力━━神
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満足感━━すごくいい
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