北方謙三の【水滸伝】━━
三浦綾子の【塩狩峠】━━
夏川草介の【神様のカルテ】━━
神永学の【心霊探偵八雲】━━
これらは小説を普段読まない人でも、タイトルだけはかろうじて聞いたことがあると思われるベストセラー小説の数々です。
しかし、大人気のベストセラー小説ではあるのですが、島田荘司・京極夏彦・清涼院流水などが好きな私のような読書家たちにとっては、ストーリーは単純で内容もうすっぺらいこと極まりないです。なぜ人気でベストセラーになっているのかまったく理解できません。
そこで私は、なぜ程度の低い駄作小説がベストセラーになっているのか?理由を模索することにしました。そしてとある答えにたどり着いたのです。その答えとは━━
程度の低いベストセラー小説は、頭の悪いファンたちの人気によって支えられている
━━というものです。
頭の悪い人というのは単純なことに感動でき、単純なことに喜びを覚えることができます。(もうひとつ、単純な罠にだまされやすいという面もあります)
冒頭に紹介したような程度の低いベストセラー小説の数々は、そうした人たちに愛され支持されているというわけです。
頭のいい読書家と頭の悪い読書家━━どちらが幸福でどちらが不幸かはわかりません。
しかし私は、自分が頭のいい読書家でよかったと思っています。