……当代を代表するベストセラー作家・百田尚樹のデビュー作【永遠の0】。私の好きな小説のひとつなのですが、アマゾンのカスタマーレビューをのぞいてみると次のような意見を頻繁に目にします。
『浅田次郎の【壬生義士伝】のパクリだ!』
『坂井三郎の【大空のサムライ】に内容が酷似している!』
【壬生義士伝】のパクリ説については【メシアの読書感想】の中で論破したので、今回は坂井三郎の【大空のサムライ】パクリ説について書きたいと思います。
アマゾンの☆ふたつ以下のレビューをのぞくと、『【大空のサムライ】に似ている!』という意見が洪水のように出ています。
そこで興味を持った私はさっそく【大空のサムライ】の上巻を読んでみました。そして私は椅子からひっくり返るほど驚倒しました。
【永遠の0】と【大空のサムライ】━━内容が、これっぽっちも、似ていないからです(爆笑)
まず、【大空のサムライ】とはどういう作品なのか?実在した零戦のエースパイロット・坂井三郎の自伝的小説で、幼少期から零戦パイロットとして活躍するまでが描かれています。
が━━意味のわからない専門用語ばかりで、前半の幼年時代以外はほとんど理解ができませんでした。本の最後に用語解説があることはあるのですが、それでも戦闘シーンの描写はさっぱりです。
結局、上巻を流し読みするのがせいいっぱいでした。下巻まであるようなのですが、下巻を読みたいと思う人間の神経がとんと理解できません。【大空のサムライ】をおもしろい、感動した、名著だと感じることができる人たちというのは、零戦に関する専門用語によほど精通した人たちなんでしょうね。
一方、百田尚樹の【永遠の0】は、零戦に関する知識が0の状態でも、誰でも理解できるように書かれています。国民的な名著になったのもうなずけます。百田尚樹の卓越した説明能力を痛感せざるをえません。
これでわかってもらえたと思いますが、【永遠の0】と【大空のサムライ】は似ても似つきません。いや、それどころか、【読みにくい・わかりにくい・おもしろくない】のマイナス要素3拍子を兼ね備えた駄作【大空のサムライ】と、日本の歴史的名作【永遠の0】を比較した上、【永遠の0】が【大空のサムライ】より遥かに劣ると罵倒するとは無礼の極地です![]()
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そういえば、アマゾンに次のようなレビューを寄せる人がいました。
読んだ後、感動して泣きました。そして他の方のレビューを見て唖然としました。
なんと、ぱくり満載小説だったとは!!
この人の本は全部、お金と時間の無駄ですね。
お金と時間を返して!!
このレビューを寄せた方、マジで安心してください。【永遠の0】はパクリ満載小説などでは断じてありませんから。頭のおかしい人たちの邪論に惑わされないでください。
ところで、私が駄作とけなした【大空のサムライ】という本。おそらく坂井三郎本人が書いたものではなく、ゴーストライターによる書物だと思われます。
もしも百田尚樹が【大空のサムライ】のゴーストライターをつとめたなら、セールスと評価は現在の軽く10倍以上になったことでしょう。