短編小説【走る男】 第3話【広まる噂】 | メシアのモノローグ~集え!ワールド・ルネッサンスの光の使徒たち~

メシアのモノローグ~集え!ワールド・ルネッサンスの光の使徒たち~

混迷をくり返す世界を救うべく、ひとりでも多くの日本人が現代に生を受けた意味に気づかなければなりません。世界を救うのはあなたの覚醒にかかっているのです……。

 とにかく走り続ける男がいる━━噂が噂を呼び、町中から野次馬が集まった。その人数、軽く5000人はいるか。

 

 
 人々は物珍しそうに、怪訝そうに走る男を眺め続けた。もちろん、次のような会話もかわされた。

 

 
 「あの人はいつ休んでいるんだ?」

 

 
 「飯は食ってるのか?」

 

 
 「水分はとっているのか?」

 

 
 「つーか、走る目的はなんなんだ!?」

 

 
 しかし、答えは誰にもわからず、人々は走る男をタバコを吸いながら、酒を飲みながら、組体操をしながら、ジャグリングをしながら、いつまでも眺め続けるしかすべはなかった。

 

 

 

目次へ

メシアのモノローグへ