中学時代、私を嘲罵する女子生徒はたくさんいたが、中でも1、2を争うくらいに私を嘲罵し続けたのがA(仮名)という女子生徒だった。
しかし、である。Aの1番最初の席は3列あるうちの真ん中の、それも1番の前の席だった。つまり『好きな歌はローリング・ストーンズの【ロック・アンド・ア・ハード・プレイス】と【ユー・キャント・オールウェイズ・ゲット・ホワット・ユー・ウォント】でーす』という私の自己紹介が最もよく聞こえる席の生徒だったのである。
つまりクラスで1番“ローリング・ストーンズの【ロック・アンド・ア・ハード・プレイス】と【ユー・キャント・オールウェイズ・ゲット・ホワット・ユー・ウォント】を聴いている最高にカッコイイ男”の私を好きになるはずだった女子生徒が、クラスで1番“ローリング・ストーンズの【ロック・アンド・ア・ハード・プレイス】と【ユー・キャント・オールウェイズ・ゲット・ホワット・ユー・ウォント】を聴いている最高にカッコイイ男”の私をバカにするようになっていったというわけである……。