自伝的小説【新世界創造】 第6部 第1話【ホロコースト展】 | メシアのモノローグ~集え!ワールド・ルネッサンスの光の使徒たち~

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混迷をくり返す世界を救うべく、ひとりでも多くの日本人が現代に生を受けた意味に気づかなければなりません。世界を救うのはあなたの覚醒にかかっているのです……。

 西暦1997年に突入したある日、メシア家に珍しく私への客がやってきた。

 

 
 母に呼ばれて玄関に向かってみると、そこには30歳くらいのふたりの男性がいた。どうやら彼らは母の知り合いの創価学会員らしい。 

 

 
 彼らは私を近所で開かれているホロコースト展というものに誘ってきた。

 

 
 第二次世界大戦中、ナチス・ドイツによるユダヤ人虐殺がおこなわれたが、ホロコースト展というのはその記録を公開したものらしい。

 

 
 そして私は数日後、母の知り合いのキウチさん(仮名)らとホロコースト展に行くことになった。

 

 
 ……当日、団地の前に行くと、1台の車の中から運転手の男性が私に向かって軽く手をあげた。先日メシア家にきたキウチさんの弟らしい。

 

 
 車に乗り込むと、キウチさんの弟は私にストーンズのポスターをプレゼントしてくれた。

 

 
 それはデビュー当時のストーンズらしく、ロニーの姿はなくブライアン・ジョーンズの姿があった。

 

 
 へー、これが若き日のストーンズなのか。ミックはほとんど変わらないが、キースなどはたしかに面影がある━━そのようなことを思っていたとき、キウチ兄と私と同い年くらいのカワイくん(仮名)という少年がやってきてホロコースト展に出発することになった。

 

 
 キウチ兄弟はアマチュアミュージシャンらしく、道中は音楽の話で盛り上がった。

 

 
 「今、ボブ・ディランが来日してるんだけど、ディラン知ってる?」

 

 
 キウチ兄の問いに私がぼそっと『……【風に吹かれて】とか……』というと、運転手のキウチ弟が『フフ、懐かしい』といった。

 

 
 ━━ホロコースト展に到着。私たち4人は展内を歩きながら、ナチス・ドイツの非道さを伝える写真などを見て回った。

 

 
 それから私たちは近くの喫茶店に入って昼食をとることになった。

 

 
 「メシアくんは音楽だけじゃなく小説も書いてるらしいけど、好きな作家とかいるのかい?」

 

 
 キウチ兄の問いに私が『村上龍とか……』と答えると、キウチ兄は『コインロッカー……』とつぶやいた。そして私はキウチ兄がすべてをいい終える前にいった。

 

 
 「ああ、あれはやられましたね」

 

 
 するとキウチ兄は大爆笑をした。

 

 
 「やられたか?やられたか?や・ら・れ・た・かぁぁぁー!」

 

 
 大爆笑が止まらないキウチ兄につられてか、キウチ弟も爆笑を必死にこらえていた。 

 

 
 きっと彼らも村上龍の影の歴史的名作【コインロッカー・ベイビーズ】信者なのだろう。

 

 
 それから私たちは車に戻って別れたのだが、彼らとの出会いによってそれまでまったく関心がなかった創価学会に親近感を感じるようになっていった。

 

 

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