メシア的感動のアンビリバボー傑作選 “黒いポール・ポッツ” ニール・E・ボイドの奇跡 第3話 | メシアのモノローグ~集え!ワールド・ルネッサンスの光の使徒たち~

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混迷をくり返す世界を救うべく、ひとりでも多くの日本人が現代に生を受けた意味に気づかなければなりません。世界を救うのはあなたの覚醒にかかっているのです……。

 オペラの夢を断念したニールはその後、奨学金で通える地元の大学へ進学した。しかし進学から3年後、就職をひかえた時期になってもニールの心からオペラが消えることはなかった。

 

 
 部屋でオペラのCDをかけながら、恍惚の表情でうたうニール。そのときだった。

 

 
 「ニール、いるの?」仕事から帰ってきた母のエスターだッた。

 

 
 その瞬間、ニールは急いでオペラの音楽を消した。

 

 
 「あ、ママ」

 

 
 「ただいま」

 

 
 そしてニールはとりつくろうように口を開いた。

 

 
 「そうだママ、就職、いいところにきまりそうだよ。これでちょっとはママに楽させてあげられるよ」

 

 
 するとエスターはしばらく黙り込んでからいった。

 

 
 「……本当にそれでいいの?」

 

 
 そしてエスターはとあるものをニールの前に差し出した。それは捨てたはずの音大のパンフレットだった。

 

 
 「ママのために自分を犠牲にしないで」

 

 
 「だってママ……」

 

 
 「1度きりの人生よ。やりたいようにやりなさい」

 

 
 感極まるニール。

 

 
 「ママ、オレ約束するよ。必ずオペラ歌手になってママを劇場に招待するから!」

 

 
 その後、ニールはいくつものバイトをかけもちし、音大への進学資金を必死でためた。そして全米で最も由緒あるニューイングランド音楽院を受験。合格率30%という狭き門を突破し、見事入学を果たすのであった。

 

 
 さらに、そこでニールの才能は認められ、成績も常に上位。すべてが順調に進んでいるかに思われたが……。  

 

 

 

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