細木数子の説
水子についてはいろいろなことがよくいわれています。よく知られているのは、母親にリューマチが出てくるということです。水子が男だった場合は左足、左肩、左手首、また女だった場合は右足、右肩、右手首に出てきます。
水子というのは、いわざ“殺人”と同じです。実際に手を下すのはお医者さんではありますが、それを命じたのはあなたです。また、夫であったり、結婚前に付き合っていた男性であるかもしれません。
しかし、最終的には、あなたの意志によってできたのが水子なのです。「そんなバカな……」といわれるかもしれませんが、これはどうしようもないことです。
そうなると、水子の霊は誰かにとりすがるしかありません。そうしないかぎり、彼岸と此岸との間でさまよったまま、いつまでたっても成仏することができないのです。
その相手は、自分を生んでくれるはずだった母親です。そして、「お母さ~ん」と泣き叫びます。それが、身体の痛みとして出てくるのです。その場合、とくに腰から下に病気が出てくることが多いのです。
水子を持っている母親は、とにかく自分が“殺人”をおかしたことをまずお詫びしなくてはなりません。そして、一日も早く成仏させることです。そうしないと、いつまでたっても成仏できない水子は、最後に母親の身体を完全に殺してしまうことになります。そのときになってあわててみても、もう遅いのです。
メシアの論証
水子の話は幽霊話では定番だが、いったい何時代のどこの誰がどんな根拠でこんなことをいい出したのだろうか?
そもそも具体的なデータをとったのか?中絶したにもかかわらず水子供養をしなかった女性が1000人いたとして、そのうちの半分以上の女性が原因不明の激痛に襲われて死亡したというのならまだわかる。しかし、そうした話は聞いたことはない。
子供を中絶してから体の具合が悪くなった━━といった女性は少なからずいることだろう。しかし、人間なら人生の中で幾度となく体調は崩すもの。ただの偶然以外のなにものでもない。それが誇張されて水子の霊などという話が誕生したというのが真相だろう。
水子の霊というのは、もしかすると存在するのかもしれない。しかし、存在するか存在しないかを知っているのは神だけである。人間にそんなことわかるわけがない。
『私は神様と話をすることができ、神様から水子の存在を教えてもらった』━━と主張する人がいるのなら、女性が中絶をしないで済む世の中の創り方をその神様から教えてもらえばいいのではないのか?
中絶をする女性たちも望んでおこなっているわけではないはずだ。様々な複雑な事情からやむをえず中絶という選択肢をとった結果なはずである。そうした女性たちの苦悩が一切発生しない理想世界の創り方を神様から教えてもらい、みずからが救世主となって中絶しようとする世界中の女性たちを救えばいいのではないのか?
しかし、私の知る限り、そういうたぐいの人の話は聞いたことはない……。
最後にメシアの視点から中絶について書こうと思う。
以前、とある悩み相談系のグルっぽで、妊娠・中絶を選んだ女子高生の話を見たことがある。その女子高生は恋人と避妊具をもちいらずに性行為をおこなって妊娠・中絶し、その行為による自己嫌悪に苛まれているようだった。幸い恋人の少年が責任感のある人で、常に寄り添ってともに悲しんでくれているらしい。
しかし、そんな彼らにとあるグルっぽ参加メンバーの男性が、『どうして避妊をしなかったんだ?』と厳しく問い詰め続けていた。
妊娠を望んでいないのなら、女性の身体を気遣って避妊すべきではある。が━━まだ高校生の子供たちなのだから、そのくらいのミスやあやまちは何回かおかすだろう。『次から気をつければいい』とだけいえばいいのであり、知識も経験も判断力も乏しい子供たちを『なぜ●●をしなかったんだ!?』としつこく責め立てる必要はないのだ。
だいいち大人でも似たようなミスは頻繁におかすものだろう。しかし、それでいいのである。人間誰もが強くて賢くて立派なわけではないのだから。
ちなみに日本の中絶技術は世界トップクラスといわれるが、それでも中絶手術が原因で病気になったりする女性があらわれるという話を聞いたことがある。
世界トップクラスの日本の医療でさえそうなのだから、貧しい国で中絶手術を受ける女性たちの身体的なハンデは悲惨なものにちがいない。
しかし、アセンション後の新世界では貧困は消滅するので、世界中すべての女性たちが安心して最高技術の中絶手術を受けることができるようになる。あとは女性の体に傷を一切残さない技術を今後の医学界が開発できるかどうかだと思っている。