斎藤一人が創始した大宇宙エネルギー療法。そのボランティア療法師の数は2008年から2010年までで、日本だけで6万人以上にものぼっているという。私がこの記事を書いている2012年現在は、きっと6万人を遥かに超える人数になっていることなのだろう。
これはなかなかにすごいことであり、大宇宙エネルギー療法の信憑性をそれなりに高める要因になっているといえるかもしれない。
が━━たとえ大宇宙エネルギー療法がインチキであっても、ボランティア療法師が儲からないものであっても、ボランティア療法師が雪だるま式に増え続ける理由があるのだ。
大宇宙エネルギー療法は99%インチキだと思うし、大宇宙エネルギー療法のボランティア療法師も儲かる職業ではない。そのボランティア療法師がなぜ増え続けるのか?その理由はずばり━━
“特別な能力の持ち主というステータスが得られるから”━━であると思う。
大宇宙エネルギー療法なる神秘的な方法で人々の病を治す━━そうした特別な能力の持ち主として人々から注目され、感謝され、崇拝されることができる。しかも水晶代の2000円を払うだけで、アホでも誰でも大宇宙エネルギー療法師になれるらしいのだから、世の中のこれといった才能に恵まれなかった凡人たちが飛びつかないわけがない。かくして大宇宙エネルギー療法師が止まることなく増え続けるというわけなのである。
患者からは1円も金は受け取りません。だから霊感詐欺には分類されないはずです。その代わり、大宇宙エネルギー療法師になるにはちょっとだけお金がかかります━━これが斎藤一人の戦略なわけだが、たしかに非難を浴びせられるようなあくどいことはしていない。大宇宙エネルギー療法師になるのもならないのも人の自由なのだから。こうした点では斎藤一人は商売の天才だと思う。