メシア的感動のアンビリバボー傑作選  アメフトスター選手の知られざる過去 第7話 | メシアのモノローグ~集え!ワールド・ルネッサンスの光の使徒たち~

メシアのモノローグ~集え!ワールド・ルネッサンスの光の使徒たち~

混迷をくり返す世界を救うべく、ひとりでも多くの日本人が現代に生を受けた意味に気づかなければなりません。世界を救うのはあなたの覚醒にかかっているのです……。

 母の言葉に奮起したハインズ・ウォードは、卓越したレシーブ力とハードなブロックを武器に、やがてチームの顔的存在に成長していく。そしてリーグのオールスターを集めた晴れ舞台プロボウルに4年連続で選ばれるなど、リーグを代表するワイドレシーバーになっていった。

 

 
 そしてむかえた2006年2月、長年の夢だったNFLの頂点をきめるスーパーボウルに出場。アジア系アメリカ人として初のMVPを獲得。ハインズ・ウォードは偉大なるアメフト選手として賞賛された。

 

 
 しかし、彼にはまだ果たさなければならないことがあった……。

 

 
 ある日の自宅でのこと。

 

 
 「韓国へ行く?いやだよ、冗談じゃない」
キム・ヨンヒが当惑した声を発した。「私は2度と帰らないときめてアメリカへ出てきたんだから……」

 

 
 そんな母にハインズ・ウォードはまっすぐに見つめながらいった。

 

 
 「どうしても行かなければならないんだ」

 

 
 韓国━━それはキム・ヨンヒにとってはつらい思い出の場所。キム・ヨンヒの脳裏を過去の苦しい記憶がかすめる……。

 

 
 しかし、ハインズ・ウォードはくり返しいった。

 

 
 「僕にとってもつらい旅になるかもしれない。でも、どうしても行かなければならないんだ」

 

 
 どうしても行かなければならない理由━━それは幼い頃、混血児ゆえに迫害され、韓国人の母を見せようとしなかったあの事件が関係していた。

 

 
 その後、ふたりは30年間、1度も足を踏み入れていない韓国の地に向かった……。

 

 

 

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