メシア的感動のアンビリバボー傑作選  年収5000万を捨てた男 第3話 | メシアのモノローグ~集え!ワールド・ルネッサンスの光の使徒たち~

メシアのモノローグ~集え!ワールド・ルネッサンスの光の使徒たち~

混迷をくり返す世界を救うべく、ひとりでも多くの日本人が現代に生を受けた意味に気づかなければなりません。世界を救うのはあなたの覚醒にかかっているのです……。

 帰国して数日たったある日の会社でのことだった。ジョン・ウッドがとある一室の椅子に腰かけていたときである。

 

 
 「ジョン、おめでとう!君が担当した契約がまとまったぞ。100万ドルの売り上げだ!」

 

 
 上司がやってきてジョン・ウッドの成功を讃えた。が、ジョン・ウッドは上の空の状態だった。

 

 
 「……え?」

 

 
 「どうした?嬉しくないのか?」

 

 
 そのとき、ジョン・ウッドのケータイが鳴る。

 

 
 「もしもし」

 

 
 『あ、ジョン。知り合いが古本を200冊寄付したいっていってるんだけどどうかな?』

 

 
 その報告にジョン・ウッドは急に顔を輝かせていった。

 

 
 「本当か?大歓迎だ!」

 

 
 ジョン・ウッドはいつしか100万ドルの契約より、200冊の本に心を動かされるようになっていたのである。

 

 
 その日の夜、ジョン・ウッドは人生最大の決断をした。そして数日後の会社の一室━━。

 

 
 「辞めたいだと?」

 

 
 聞き返す上司にジョン・ウッドはきっぱりといった。

 

 
 「はい」

 

 
 「会社の待遇になにか不満でもあるのか?」

 

 
 「いえ、生きる目的が見つかったんです」

 

 
 「生きる目的?」

 

 
 「高い報酬や地位を求める人生にもう興味はありません。一刻も早く私を待っている人たちのために動き出したいんです。失礼します」そういい終えるとジョン・ウッドは部屋を出ていった。

 

 
 当初、仕事を続けながらボランティア活動をすることも考えたが、両立は難しいと判断してでの退社だったという。 

 

 

 

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