中国・重慶市の南に位置する山々の中に、標高1500メートルの半坡山(はんぼさん)という山がある。
原生林に囲まれたこの険しい山を訪れる人はほとんどいなかったのだが2001年の秋、山の北側の麓に位置する常楽村(ちょうらくむら)からきたふたりの登山者が山に足を踏み入れたのだった。
そして彼らが紅葉とした道なき道を進み、山の中腹に差し掛かった頃のこと。登山者の男たちはなにかを発見して声を発する。
「おい、なんだあれは?」
「いったいどこまで続いているんだ?」
ふたりの目の前にあらわれたのは、なんと山頂に向かって果てしなく続く階段だったのである!
……普段、訪れる者のない山の中腹にあらわれた謎の階段。いったい誰が、なんの目的でつくったのか?いったいどこまで続いているのか?
実はこの階段は限りなく悲しい恋の証なのだ。階段の1番上に待っている驚愕の真実を知ったとき、果たしてあなたは涙をこらえることができるだろうか……?