メシア的感動のアンビリバボー傑作選  世界一小さな劇場アマトオペラ 第1話 | メシアのモノローグ~集え!ワールド・ルネッサンスの光の使徒たち~

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混迷をくり返す世界を救うべく、ひとりでも多くの日本人が現代に生を受けた意味に気づかなければなりません。世界を救うのはあなたの覚醒にかかっているのです……。

 アメリカ・ニューヨークイーストビレッジの片隅に、本当に小さなオペラハウスがある。客は100人ほどしか入れず、舞台は役者が5人もあがればぎゅうぎゅう詰めになってしまうほど。

 

 
 さらにだ。舞台袖もないため、出演者は客席の間をすり抜けて舞台にあがらなければならないのである。

 

 
 しかし、それでもこのオペラハウスの舞台に立ちたいという役者は後を絶たず、ときには大きな劇場に出演している有名歌手も出演を希望することがあるという……。

 

 
 物語のはじまりは1930年にさかのぼる。

 

 
 ニューヨークリトルイタリーでイタリア系移民が経営する小さなレストラン【アマト】。そこで料理を客席に運ぶ手伝いをしている10歳の少年がいた。

 

 
 経営者の息子のトニー・アマトである。トニーはその日もレストランの手伝いをしており、常連客のフィオーレおじさんの席に料理を運んでいた。

 

 
 そんなレストラン【アマト】は常に人々の笑顔であふれており、トニーはたとえ貧しくても笑顔さえあれば幸せになれることを痛感する。

 

 
 そんなある日、トニーは母親に連れられてとある映画を観ることになる。その映画はオペラを題材にした≪肉体の呼ぶ声≫という作品で、この映画がトニーのその後の人生を決定づけることになる。

 

 
 『僕は将来、オペラ歌手になる!』━━トニー少年はそうかたく決意した。

 

 
 ときは流れ1945年、25歳になったトニーは小さな劇団に入る。そしてさっそく公演の主役に選ばれることになる。

 

 
 そのときの相手役が3つ年上の女性サリー・ペルで、トニーとサリーはふたりで稽古に励むことになる。

 

 
 それからふたりは初のデートをすることに。

 

 
 昼下がりの公園。ベンチに腰をかけたトニーは隣のサリーに結婚を申し込む。出会ってわずか2週間後のことであった。

 

 
 トニーはサリーに熱く語る。

 

 
 「僕は今までのオペラとはちがい、貧しい人たちでも誰でも無料で楽しめるオペラハウスをつくりたいんだ!」

 

 
 当時のオペラは金持ちのための娯楽であり、トニーのこの考えは極めて突飛なものであった。しかしトニーの熱意がサリーに伝わり、ふたりは2年後結婚をすることになる。

 

 

 

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