今年の9月の後半頃のことである。
いつもエレガントな≪メシアのモノローグ≫なしからぬバッチイ話になってしまうのだが、私はその頃食当たりによって下痢と吐き気に苛まれるはめになっていたのだ。
はじめは下痢だけだったのだが、徐々に激しい吐き気にも襲われるようになり、バケツに思いきり『うぅぅぅえぇぇぇっー』と大量のゲロを嘔吐してしまった。
ゲロを吐く━━小学生の頃に1度だけ経験があるのだが、それ以来実に20数年ぶりのゲロである。
しかし1回の嘔吐だけでは吐き気はおさまらず、私はいつゲロってもいいように膝と膝の間にバケツをはさみながら下痢をしたほどだった。
ゲロる━━私はゲロり慣れていないので、このときの吐き気に襲われ続ける時間はとても恐ろしいものがあった。なにせゲロっている最中は呼吸ができないので、『このまま窒息してしまうのではないのか!?』といった不安と当惑に駆られてしまうからだ。
しかし私も30を過ぎた大人だ。子供の頃はパニックに陥っていたことだろうが、どのように対処すればいいかくらいパッと考えられる。
ひととおりゲロり終えてから、落ち着いて鼻で息をして呼吸を整える━━たったこれだけでいいのだ。鼻の穴のほうはゲロが詰まっているわけではないので焦ることはない。
かくして私は3日ほどそんな生活をおくることになってしまったのだが、世界にはそんな生活を3日どころか恒久的におくり続けている人が無数にいる。それこそ“泥水で生活をしている人たち”だ。
以前、世界中の貧困国を取材したテレビ番組の中で、泥水を使って生活をするアフリカの人たちを見たことがある。
使用している水が泥水なため、いうまでもなく家族全員が常になんらかの病気にかかり続けているという。しかしきれいな水を得ることはできず、病気にかかることを承知で泥水を使い続けるしかないという。
このような生活をおくっている人は世界に膨大におり、きっと彼らは私が3日間体験した下痢と嘔吐感の地獄をくる日もくる日も味わい続けていることなのだろう。あまりのむごたらしさに涙も出ない……。
しかし安心していただきたい。地球と人類が生まれ変わる究極の大奇跡アセンションはすぐ目の前まで迫っている。そしてアセンション後の新世界で、泥水を使わざるをえなかったすべての人々がきれいな水を使えるようになるのだ。