押してダメならひけばいい | メシアのモノローグ~集え!ワールド・ルネッサンスの光の使徒たち~

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混迷をくり返す世界を救うべく、ひとりでも多くの日本人が現代に生を受けた意味に気づかなければなりません。世界を救うのはあなたの覚醒にかかっているのです……。

 私の両親は夫婦喧嘩が絶えない人たちだった。

 

 
 もともとの発端を生み出しているのは父のほうではあるのだが、母がもう少し頭を使って事を進めれば喧嘩など起こることはなかったといっていい。

 

 
 私が18歳くらいの頃、そんな母にこのようにアドバイスをしたことがある。

 

 
 「お母さん、押してダメならひいてみればいいんですよ」

 

 
 力に力で対抗したらさらに争いが激化するだけであり、いったん落ち着いて別の角度から新しい方法を試してみればいい━━私はそのようなことをいいたかったのだが、母は私のアドバイスなどまったく耳に入れず、それからも延々と延々と父の力に同じく力で対抗し続けていった。

 

 
 母が父に逆らわず、『はいはい、わかりました、そのとおりですね』とでもいいながらいわれたとおりに動いていれば事は丸くおさまるのだが、母は負けず嫌いな上に自分のミスを認めたがらないタイプの人なので、父と少しでも意見が衝突すると最後まで徹底して戦い続けていた。しかし結局明確な解答にはたどり着けず、くる日もくる日も母は父と堂々めぐりの水掛け論をくり返すばかりであった。

 

 
 力はたしかに偉大な要素ではあるが、力だけでは解決できない問題はいくらでもある。

 

 
 たとえばプロ野球で155キロの剛速球を持つピッチャーがいたとしても、武器がそれだけではバッターを打ち取ることはできない。どれだけボールが早かろうと、プロのバッターならすぐに慣れて打ち返すことが可能だろう。それを防ぐためにスライダーやフォークといった変化球が必要になってくるのである。

 

 
 人間関係や夫婦喧嘩もそれとまったく同じ。いくら口喧嘩を続けてもらちがあかないと判断したら、155キロの剛速球ではなくスライダーやフォークを放ってみればいいのだ。それによって一気に解決に近づくとはいわないが、ぜったいになんらかの進展が生まれるはずである。

 

 
 力に力で対抗しても問題はほとんど解決はしない。押してダメならひいてみることを世の人々におススメしたい。

 

 

 

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