児玉清
先日、“コダキヨ” の愛称で親しまれた名優であり名司会者の児玉清がガンで他界した。
児玉清といえば俳優としてというより、私くらいの世代ではなんといってもクイズ番組≪アタック25≫の司会者としてのほうがなじみがある。
≪アタック25≫で思い出深いシーンといえば、吉田栄作主演のドラマ≪もう誰も愛さない≫が流行っていた頃、回答が“もう誰も愛さない”という問題が出たときのことである。たしか回答者は高校生くらいの熱血漢ぽい少年で、その少年の独特の口調が気に入ったらしい児玉清は少年に『(答えを)もう1度お願いします』と頼んだのだ。そして少年が再び『もう誰も愛さない』と口にすると児玉清はかすかに笑いながらこういった。
「いいですね~」
そんな≪アタック25≫はクイズ王になるための登竜門的な番組で、たしか1989年の≪ウルトラクイズ≫の決勝で対戦したふたりのクイズ戦士は、どちらも≪アタック25≫で何回も優勝をしている経歴の持ち主だったと記憶している。
≪アタック25≫から有名クイズ王に成長していった人たちも、児玉清の死に胸を痛めているにちがいない……。
また、元フジテレビアナウンサーに中村江里子という人がおり、独身時代に彼女が理想のタイプとして名前をあげていたのが児玉清だったと記憶している。
また、児玉清はそのあたたくも神秘的な声質で知られる人であり、声での出演しかないテレビゲーム≪マザー≫のお父さん役に『児玉清がいいと思う』と泉麻人という人がいっていた記憶がある。
これは≪マザー≫というゲームを知っている人にしか通じない話なのだが、泉麻人はほかにも━━
ピッピちゃん━━山瀬まみ
スターマン━━高嶋政伸
飛行機おじさん━━谷啓
森のギター弾き━━竹中“中津川ジャンボリー”直人
クイーンマリー━━斎藤由紀
━━といったキャスティングをあげたりしていた。
≪マザー≫は子供がやってもおもしろいが、大人がやるともっとおもしろいゲームといわれた。≪マザー≫を子供の頃にプレイしていた頃から20年ほどがたつが、今プレイしたらどんな感情に襲われるのだろうか?なかなか興味深いものがある……。
児玉清の話から糸井重里の代名詞≪マザー≫の話にまで展開してしまったが、その紳士的な存在感で多くの人々に癒しをもたらしてきた児玉清の冥福を祈りたい。
