A国とB国の合計200万人の兵士たちひとりひとり全員が戦争を放棄すれば戦争は終わりをむかえる━━ここでいくつか難題が浮上すると思われます。
たとえばA国とB国の兵力が互角ではなく、A国の兵力が100万人なのに対してB国の兵力が10万人だった場合などです。この場合、B国の兵士たちはひとりひとり全員が戦争を放棄するかもしれませんが、兵力で圧倒するA国は勝算が極めて高いので戦争を放棄することはほぼないでしょう。
しかし、戦争の法則として、攻める側は4倍以上の戦力をもって挑まないと勝つことができないといわれます。つまり圧倒的に兵力で上回っていたとしても、勝利するためにはそれ相当の血を流す覚悟がいるというわけです。よって勝てる戦争であることはわかっていても、A国の100万人の兵士全員が無傷で終わることはありません。必ず無数の死傷者が出るのです。
A国の100万人の兵士たちに『自分がそのうちのひとりになってしまうかもしれない』ということを教えるのです。それによって兵力で圧倒するA国の兵士たちの士気を落とすことができるのです。