世の中のどんな悲しい空気もどんなむごたらしい空気も、なにもかも一瞬で失笑に変えることができる現代の救世主のひとり、デーブ・スペクター。
私は彼が出演しているTBSのサンジャポを見て1週間の終わりをかみしめることにしているのだが、今週のサンジャポではひとつだけさむギャグを聞くことができた。
それは次のようなものだ。政治家の鳩山さんのニュースVTRが終わってからのものである。
「鳩山さんにしてはピジョン(ビジョン)が見えませんね」
鳩とピジョンをかけたダジャレなわけだが、私はこうしたきれいなダジャレはあまり好きではないのだ。もっとこてこての、もっとべたべたなダジャレのほうがデーブさんの存在感が際立つと思うのである。
たとえば、かつて発したデーブさんのさむいダジャレにこのようなものがあった。
「そういうことは市ヶ谷(一概)ではいえないんですけど。市ヶ谷でいえなければ四谷でいえばいいという、そういうダジャレもあるんですけど」
プププププ、く・だ・ら・ねぇー!━━実にくだらない。実につまらない。実におもしろくない。だからこそ爆笑できるのである。これこそがデーブさんの真骨頂といっていいだろう。
デーブさんにはなるべくこてこての、べたべたのダジャレやギャグを期待したい。