井上大佐とお使い

地球の諸君ご機嫌よう。

参謀総長の井上だ。

本日の私は奥山殿からとある密命を受け、

地球人たちの食糧販売施設「スーパー」とやらを訪れているぞ。

我々の星と違い、地球には生き物が摂取出来る食糧の種類が非常に多い。

奥山殿の家に来てから私も様々な物を口にしてきたわけだが、
こういう場所を訪れるとまだまだ未知との遭遇ばかりでとても興味深いな。

しかし、こう種類が多すぎると、
どれが食せる物なのか判別がつかなくなりそうなものだが・・・。

そうこう考えているうちに奥山殿に入手を依頼された一つ目の品を発見。

――矢中？・・・いや、似ているが違う。これがオリーブオイルか。

奥山殿が手に入れて来いと言うからどんなものかと思ったが、ただの油の一種ではないか。
このようなもの、我らが宇宙船の燃料担当「無限油の矢中」の体を絞れば
いくらでもご用意させて頂くのだがな。

ああそういえば、地球のゆうちゃん殿も
最近このオリーブオイルを使って料理という行為に興じていると言っていた。
ふーむ、何か特別な力を秘めた油なのかも知れん。私も研究してみるか。

奥山殿が欲しいといっていた「おやつ」とやらはこれだろうか。
種類が多くてよくわからんが、まぁこれで大丈夫だろう。
管理人さんが来た時の「お茶請け」という役目もきっと十分に果たせるはずだ。

ああそういえばこれも、地球のゆうちゃん殿が
地球人はこの食糧を巡って、「きのこ派」と「たけのこ派」とやらに分かれて
論争を繰り広げるとか何とか言っていたな。
ちなみにゆうちゃん殿は「たけのこ派」らしいが、諸君はどちら派だろうか？

ウチの部隊の連中に聞いてみるのも面白いかも知れんな。

――おっと、長居をしてしまった。そろそろ戻らねば。

奥山殿から今日のために頂いた金が少し余ってしまったが、
とりあえず王国復興のための軍資金として私が預かるとしようか。

では諸君、本日はこの辺りで。

また会おう！！

Jugend Stil

井上雄介