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行政書士試験の勉強用ブログ

出先でも携帯から復習するための全く自分のためだけに書いているブログです。ってか勉強ノートです。

判示
無能力者であることを黙秘することと民法20条にいう「詐術」

要旨
無能力者であることを黙秘することは、無能力者の他の言動などと相まつて、相手方を誤信させ、または誤信を強めたものと認められるときには、民法20条にいう「詐術」にあたるが、黙秘することのみでは右詐術にあたらない。

理由
 上告人A代理人納富義光の上告理由について。

 所論は、無能力者が、相手方の誤信を改めないのみならず、誤信の継続をよいことにしてその誤信を利用した場合は、詐術に当たる旨、および原審が詐術を認めなかつたのは経験則違反、審理不尽の違法がある旨を主張する。

 思うに、民法20条にいう「詐術を用いたる時」とは、無能力者が能力者であることを誤信させるために、相手方に対し積極的術策を用いた場合にかぎるものではなく、無能力者が、ふつうに人を欺くに足りる言動を用いて相手方の誤信を誘起し、または誤信を強めた場合をも包含すると解すべきである。したがつて、無能力者であることを黙秘していた場合でも、それが、無能力者の他の言動などと相俟つて、相手方を誤信させ、または誤信を強めたものと認められるときは、なお詐術に当たるというべきであるが、単に無能力者であることを黙秘していたことの一事をもつて、右にいう詐術に当たるとするのは相当ではない。

黙秘の際に相手をだます目的が見て取れた場合には、詐術と認定される場合もあるが、単に黙秘していただけでは詐術とはいえない。