ラブチェーンという言葉を耳にして、即座に
鎖に繋がれた囚われの愛を連想するのは、
恋愛小説やらミステリー小説の読み過ぎかしら?
ラブチェーン。多肉植物ハートカズラの英名ですよね。
肉厚のハートの形をした葉っぱがたくさん繋がった様子が可愛い♫
単純に愛にあふれた光景を想像すればそれで良いのにね!!
花言葉は、「協力」「助け合い」ですって。
あふれるほどの愛情をもって助け合うことができたら、
世界平和は叶うのに・・・・・
ガガイモ科セロペギア属 学名:セロペギア・ウッディ
南アフリカ原産
初夏から夏にかけて咲く花の形は、とてもユニークです。
基部が壺型に膨らみ、花の開口部が狭いこの形、
捕らえた虫を逃さない様な仕組みを持つ
食虫植物を思わせませんか?
調べてみるとそうではないらしいけど・・・
「とっくりのような筒状花の先端が5つに分かれ、その5つの先がまた一つにくっつくの。
どうしてこんな面倒なことをするのでしょうね?それに赤茶色の部分は毛むくじゃら
こんな奇妙な形の花を見るとムズムズムズ、背中を何かが走る(*’艸3`):;*。 プッ
右手にメス、左手に虫眼鏡を握りたくなっちゃうなぁ・・・また、次の機会にね・・・」
(8月14日投稿記事「小さな小さな花たち」より)
予告通りに、メスと虫眼鏡ピンセットを手に、解体しちゃおう
・・・*・・・
蕾は無毛なのに、開花すると花の先端が毛むくじゃらに変身~
もしかしたら、開花の時、蕾の頭の部分にスリットが入ると
内側がめくれてくるのかしら つまり、
内側にはじめから毛が生えていて、それが表に現れてくるのかな
1つ目はそれを確認したかった
そしたらやっぱり、蕾を解体するしかないでしょ
2つ目はね、
こんなのを1つだけ見つけちゃったんです。
どう見たって果実ですよねぇ。
やがては鞘になり、中に種ができるのだろうな!
ガガイモ科とういうこととは、・・・・・そうか、
アスクレピアスオ キシペタラム・ブルースター
同じガガイモ科のアスクレピアスやオキシペタラムに似て
綿毛がついた種になるのだろうなぁ。
どんな種ができるかは、今後を見守ることにしよう。
でも、ハートカズラの生殖機能ってどうなっているのかしら
めしべやおしべは、どこにどんな形で
これはやっぱり、解体するしかない
と、その前に、
ハンギングで咲いている状態からまずは観察を
(左)蕾の先端にスリットが入ってきましたよ。
(右)アングルを替えると、内側がめくれ上がってきているのが分かる。
毛が生えているのは、やっぱり内側だって事も分かるね!!
(左)元表面の無毛の部分が背中合わせでくっついたんだね。
(右)どうやらその後、先端の割けた部分は伸びるようです。
少しスリット部分が長くなったように感じる。
スリットは、約8mm×最大3mm程度
もじゃもじゃ毛の量には個体差があるらしいね。
さあて、いよいよ解体珍書の始まり、はじまり~
ハートカズラの花を多めに取ってきて、
開花が進んだものから順に(?)並べてみました。
花の様子をいろいろな角度から見てみましょう。
まん丸のおしりにへばりついたヒトデのような萼が、ご愛敬♫
*
さあ、いよいよメス・ピンセットの入場
ウェディングケーキにハートカズラの花に入刀です♫~
表面が無毛の蕾に入刀したら、
ほら、毛が現れた
内側に毛が生えていることに間違いなし
観察画像と解体で第1のが解明された
*
次は、第2の めしべとおしべの究明ですぞ
開花している花を縦に真っ二つ
花底に白いものが見えた! これがおしべかな?
白いものは5枚 花びらみたいな形だね
おしべじゃないみたいだよ。だっておしべなら、
先端に花粉を蓄えた袋(葯)があるはずだもの・・・
内側に茶色の丸い小さな粒が見えるけれど・・・何だろう??
筒状花をむしり取り、ズームしてみたら、
茶色の粒以外に、先端にボール形の黄色いものが見えた!!
これがめしべかな?
もっと細部を見たいので、花の基部から外す!
これだけで完成された花みたいだ♪ 神秘的な雰囲気だね。
ハートカズラは外側の筒状花と内側の花との二重構造なのかしら?
もっと細部を見たいので、さらに解体したいのだけど・・・・
膨らんだ白い部分の幅は、1mmくらい?
白い花びらのような部分の長さは2mmほど。そして薄くて繊細。
ピンセットとメスの刃の厚さのほうが厚い!!
しかも、老眼と近眼を併せ持つしば~じゅのお目々
これ以上は不可能だわっ!!
付け根の黄色いもの、これがおしべかしら?
取ってきただけの花を全部解体したけど、これが限界
なんとか判別できるものが撮れたのは、たった1つだけ~
中央にそびえ立つのがめしべだろうね
肉眼では鮮明には見えません!!
これ以上の解体も無理です!!
茶色の粒々は何? 種?・・・んー?わかんない!!
解体すれば謎は解けると思ったのは誤算でした。
ますます謎が深まってしまったわ。
解体後の残骸
花の構造について検索すれば、謎が解けるかと、
ずいぶん検索をかけました。
でも、ヒットするのは画像集と育て方のポイントばかり・・・
植物図鑑のサイトにも構造が載ってない!
調べたりないのか、検索ワードが不適切なのか?
こんなに面白い花なのに、
構造に興味を持つ人っていないのかしら?
興味を持つしば~じゅは、よほどの変人??
検索から1つハッキリしたことは、
食虫植物ではないけれど虫媒花だということ。
小バエを誘う異臭を放っているとのことですが、
花盛りの今であっても、いやな臭いを感じたことはありません。
虫媒花だと言うことは、
筒状花の中に入ってくる小バエに受粉を手伝わせているのですね。
そこで、また発生
このスリットから小バエが
するすると出入りできるようには見えないのですが・・・
スリット自体が大きくないのですよ!!
先端の逆毛に邪魔されて中に入りにくそうだし、
入ることができても出にくそうだもの!!
本当に、小バエが受粉を媒介しているのかしら?
7つ解体したけれど、花の中に入ることはできたけど出られなくなった
アンラッキーな虫の死骸はなかったし・・・
初夏からたくさんの花がハートカズラに咲きました。
なんとか虫による受粉に成功したのですね♪
受粉を媒介する虫の出入りが困難だとしたら、
種(果実)ができにくい事は仕方ないのかもしれません。
だとしたら、かなりお馬鹿な植物ですね。
植物は子孫を残すためにあの手この手の知恵を使っているはずなのに・・・
あっ、
種を作る必要があまりないのかもね!!
ムカゴ(塊茎)という手を使ってハートカズラは子孫を残しているのだわ
これです。これがムカゴです。
茎の節の所に、小さいのから大きいのまでたくさんのムカゴがついていたっけ。
上の画像は直径5mmほどなのに、根がもう見えますよ。
葉っぱを数枚残して切り取り、土の上に置いておけば根付きます。
これは直径3cmほどになった塊茎
コンサバ内のステンドグラス製テラリウムで根付いています。
ハートカズラもなかなかの知恵者でした
ハートカズラの花の構造について詳しい方がいらしたら
どうぞ教えてくださいね。